いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

リビングに浮かぶ島

ソファ。それはリビングという海に浮かぶ島。

 

世間の荒波に揉まれる人々を癒す楽園。意思弱き者をいつまでも留めさせられる魔力を持つ。

 

我が家には先週の初めに新しいソファが来た。しかし平日はなかなか忙しなく、ゆっくりとその座り心地を味わう余裕がなかった。

 

そのため週末になって改めてソファに腰掛けてみた。気持ちいい。座るのもいいし、横になるのもいい。本を読むのもいいし、テレビを観るのもいい。ずっとここに居たい。そう思いながら、朝ひとりの時間を穏やかに過ごしていた。

 

しかし、もちろんそんなわけにもいかない。娘が起きてくると必然的に楽園から旅立たなければならない。娘にご飯を食べさせ、一緒に遊ばなければならないからだ。私は後ろ髪を引かれながらも、その居心地のよい島を後にした。

 

今日からまた仕事。あまりソファに座る時間はないだろう。でも大丈夫、あの島はいつだって同じ場所に浮かんでくれているのだ。今日も私の帰りをいつまでも待ってくれているだろう。