いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

すわって!すわって!

今日は夕方から息子と一緒に仕事をした。

 

正確に言えば息子と席を隣同士にして座って仕事をこなしたのだ。夕方から妻と娘がスイミングスクールに出かけたので、リビングに息子ひとりとなり寂しいかと思ったからだ。

 

私の業務においても作業に入る前の「構想を練る」段階だったので、ノートとペンだけを持ってリビングへと向かった。普段もときどきリビングでひとりで過ごしている息子は、今日もお利口にソファに座りテレビを見ていた。私のことに気がつくと嬉しそうに駆け寄ってきた。

 

私が椅子に座り、ノートにペンを走らせ考えをまとめていると、お絵描きをしていると思ったのだろう、近寄ってきて自分もやりたいと言い出した。

 

そこで彼のクレヨンとスケッチブックを持ってきて、私の隣の席に座らせた。彼は嬉しそうに私の方をチラチラと覗きながら、思い切りの良い筆運びでスケッチブックにカラフルな幾何学模様を重ね合わせていた。

 

途中、彼が「おちゃちゃ」と要求したので、水筒を彼に渡した。しかし中身が空になっていたようで、水筒を振って追加を要求してきた。私は席を立ってお茶の追加に行く。すると息子が、私の座っていた席をパンパンと叩いて、こう言うのだった。

 

「すわって!すわって!」

 

私がまた仕事部屋に戻ると思ったのだろうか。大丈夫だよ、と彼を安心させ、お茶を注いで再び席に座った。着席した私を見た彼は、満足そうに微笑み、美味しそうにお茶を飲んでいた。

 

そのあともオヤツをとりに行ったり、仕事道具を取りに行ったりと、私が席を立つたび、隣の席を「ここ、ここ」と示しながら、席に座るように促すのだった。

 

その指示の出し方は、娘が息子と遊んでいる時によくやる仕草だったので、お姉ちゃんのを覚えて真似をしているのだとすぐにわかった。最近ふたりでよく遊んでいるので、これからもどんどん娘の口調が移っていくのだろうなと愉快な気持ちになった。

 

ちなみに、息子と席を並べておこなった仕事は、思いのほか順調に進めることができた。一筋縄ではいかないだろうと覚悟して臨んでいた内容だったが、なかなかスムーズに思考の整理ができ、アウトプットの構成も手書きで仕上げることができた。

 

妻らが帰ってきた後で部屋に戻り、それをパソコンで資料化した。おかげで大きな達成感を持って週末に入ることができた。また息子の隣で仕事をしようかな。