いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

今年も鬼退治

今年の節分は土曜日の今日おこなった。

 

去年と同様、妻お手製の鬼の被り物を使って、寸劇形式での豆まきを決行することにした。興味があったのは息子の反応である。

 

去年、息子は鬼で登場した私に恐れ慄き、号泣した。その様子はばっちりホームビデオに残していたので、そのあとも何度も見返したものである。

 

そんな彼がこの一年でどれだけ成長したか。実に楽しみであった。私は紙袋に画用紙で作った鬼の仮面を被り、呻き声をあげながら、玄関のチャイムを押した。

 

玄関をくぐり、廊下を抜け、リビングの扉を開けた。息子の顔は引き攣っていたものの、泣く様子はなかった。嬉しそうに豆袋を投げる姉に促され、戸惑いながらも自分もそれを手に取り、言われるがままにこちらに投げていた。

 

唸り声を出し、息子に接近し、両手を伸ばしてみても、息子は泣かなかった。真顔は変わらないが、豆は投げ続けている。間違いなく、去年からの成長は見られたのであった。

 

私がなかなか退散しないので、終盤にはホームビデオを握ったママの方に助けも求めていたが、それでも私がリビングを出るまで彼は泣かずにやり通した。

 

私が暗闇の廊下へと消えると、ママからの称賛に合わせて、やったー!と喜びを爆発させていた。鬼の被り物を置いて私もリビングへと戻ると、息子は私に駆け寄り、抱っこを求めた。彼は怖かったと言いながらも、なんとか撃退できたことにある種の誇らしさも感じているようであった。

 

その後も娘にまたやりたいと言われて何度もその寸劇をおこなった。そのたび息子の顔は引き攣ったが、泣くことはなかった。ただ妻が鬼役をやり、息子を抱き抱えて暗い廊下へと連れ去ろうとした際には、さすがに泣き声をあげて私に助けを求めたが。

 

娘は明日もやりたいと言うくらい、楽しんでくれたようだ。彼女も来年は小学生。果たして、いつまでこのイベントに付き合ってくれるだろうか。なんにせよ、今年も楽しい思い出と、映像を残すことができた。