いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

初めてのピアノ発表会

今日はホールで娘のピアノ発表会だった。

 

個人レッスンを始めて1年弱。今回が初となるお披露目の場だ。この日に向けておめかし衣装も買い、日々練習を重ねてきた。

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とはいえ、娘は既に習得したことの精度を高める、といった練習には不向きなようで、我々親が期待したほどには練習をしてくれなかった。前日の昨日もしかり。おかげで私たちの方がソワソワしてしまった。

 

それでも知らない人たちから一身に視線を浴び、ひとり舞台に立ちピアノを披露する経験は貴重だと思う。マイペースな娘も、さすがに直前は緊張をしている様子を見て、幼い頃から場数を踏ませられることを嬉しく思った。

 

舞台に立った娘は、緊張したときの常で、少しばかり不遜な表情を浮かべ、ちゃきちゃきと動いた。舞台中央に立って一礼。すぐさま振り向きピアノ前に座る。

 

一息吐き出すと鍵盤を叩き始める。少しテンポは走りがちだが、思いのほか力強い音を鳴らしている。一曲目を弾き終えると、続けて二曲目を演奏する。最後の一音が伸びた後に静まり、娘がピアノの前を離れる。ふたたび舞台中央で一礼。会場は拍手に包まれた。

 

結局ノーミスで演奏をやり遂げた。彼女は意外と本番に強いタイプなのかもしれない。舞台を降り、娘が席へと帰ってきた。安堵の表情を浮かべ、全身を弛緩させ、背もたれに寄りかかっていた。

 

終演後、会場出て娘に緊張したか尋ねた。娘は「しんぞうがドキドキした」と言い、直前の心境を語ってくれた。昼食、本屋、カフェと、新大阪近辺で娘へのご褒美を振舞った。

 

発表会終わったから、これでお休みのときピアノの練習しなくてよい。そんなことを口にするあたり、やっぱり娘にピアノは向いていないのだろう。

 

それでも他の演奏者の楽曲に聞き覚えのあるやつもあったようで、いくぶんかは刺激ももらったようだ。ピアノレッスンはまだ続けたいと本人が言っているので、やりたいようにやらせてみたい。

 

なんにせよ今日の発表会は本当にお疲れ様であった。