いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

雛人形と生活発表会

男と女はどっちが右だっけ?

 

どっちでもいいやろ、と内心思いつつも、どっちでもよくないんだろうなあ、とすぐに考え直す。頭の中にない答えを探し彷徨っていても仕方がないので、潔く去年の写真を探すことにする。

 

しかしスマホ内のデータ整理をおこなっていたため、去年の写真は見当たらなかった。そんなときにはSNSだ。数年前に妻がアップしていた写真を掘り当てる。しかし少々解像度が荒い。なんとか引き伸ばして確認を試みる。

 

なるほど、男はこっちで女がそっちか。この下の三人の並びはこうか。三人囃子だっけ。調べたら三人官女というらしい。囃子は五人囃子だ。ただ我が家のものは3段構成で、五人囃子まではついてない。

 

雛人形をひとり設置していた。

 

妻と娘は生活発表会に出かけ、息子はリビングで昼寝をしていた。私も生活発表会に行きたかったのだけど、コロナのせいで規制があり、ひと家族ひとりの保護者までしか観覧ができなかった。

 

そんなわけで私は留守番をし、ひとり雛人形を設置していた。手先は不器用で、記憶力にも乏しい私にとっては不得手な作業といえる。でも娘のために毎年飾らなければ。せっかくじいじとばあばに立派な雛人形を頂いたのだから。

 

なんとか設置を終えたところで、妻と娘が帰ってきた。妻曰く、娘が一番大きな声で台詞を言えており、歌も誰より真面目に歌っていたらしい。

 

昼食を食べ終わると、さっそくホームビデオをテレビに繋げた。妻の言うとおり、娘の舞台は素晴らしかった。娘の方を向き、妻と一緒にたくさん褒め称えた。娘は嬉しそうにはにかんでいた。

 

雛人形を飾った回数ぶん、娘は確実に成長してくれているようだ。来年もまた同じように雛人形を飾り、またひとつ娘の成長を実感できたら嬉しいな。