図書館で2度借り、audibleでも一部を聴き進めながら、ついにこの大作を読了した。とても面白かったのだが、タイミングが悪く、なかなか読み終えるのが長引いてしまった。
著者の歴史小説はやはり面白く、それまで興味を持ったことのない歴史上の人物にも興味と愛着をもつことができる。今回も、歴史の教科書で覚えていた程度の足利尊氏が題材だったのだが、その人物像に惹かれていった。
ただ、これまでの作品と比べると、ちと物語が長いのと、史実を辿るのに忙しく、なかなかエンタメとしてドライブしきれない印象を感じた。それでもこれが直木賞を取ったというのだから、これまでの作品よりエンタメ性が評価されているのだ。やはり私の読むタイミングが悪かったのだろう。
ただ繰り返すがこの作品もとても面白かったのには違いない。この作者が時代小説を書き続ける限り、私は読み続けることだろう。次作も楽しみである。