いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

金曜の夜

定時で仕事を切り上げる。

 

それだけで多大なる幸せを感じる。半年前まではそれが日常であったのに、今では2週に1回あるかどうかの状況だ。なんという変化だろう。

 

でも今だけは、素直にこの喜びに浸りたい。定時で仕事を切り上げた、金曜日の夜の幸せに。

 

終業の合図とともに、挨拶をして職場から出た。あまりにも愛想がなかっただろうか。一瞬頭をよぎったが、もう気にしても仕方ない。

 

今の私には、いち早く家族のもとに帰ることしか頭にない。特に今週は出社続き、残業続きで、ほとんど家族との時間を過ごせていないのだ。

 

嬉しさのあまり妻に電話し、帰り道でデザートを買って帰る約束をした。今ならなんでも買ってしまいそうだ。早く、安全に、家に帰ろう。

 

こんな喜びに満ちた金曜の夜だけで人生が構成されていたらいいのに。このときよ、永遠に。