いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

じゅんばん!

子供ふたりが仲睦まじくソファに座っていた。

 

その様子をキッチンから微笑ましく見守りながら、彼らの朝食の準備をしていた。午前中の光景である。

 

姉弟を与えられてよかった。いつもこんなふうに仲良くしてくれたらいいのに。そんなふうに和やかに眺めていたのも束の間。案の定、その後すぐにケンカを始めたのであった。

 

「じゅんばん!じゅんばん!」

 

平日は遊べないからか、休日になるとふたりの間で私の取り合いが生じる。片方が抱っこといえば、片方が自分もと言い、片方が遊びに誘えば、こっちに来てと腕を引っ張り合う。

 

2歳の息子の方も、6歳のお姉ちゃんを相手に、一歩も引かない。口でも(ボキャブラリーは劣るものの)対等にやり合い、身体も張って必死に抵抗する。ときには年少者の泣きつきや、駄々っ子も発動させ、なかなか狡猾な戦い方をするのであった。

 

そしてほとんどが、順番交代という落とし所になるのだったが、案の定、どちらも交代を拒否したり、持ち時間のズルをしたりと、すぐさまふたたびケンカが勃発するのであった。

 

結局ふたり同時に遊んであげるのがいちばん平和である。そんなわけでふたりを両手に抱えて立ち上がり、私は回転するアトラクションへと化したのであった。

 

私の眼前には仲良く笑うふたりが流れる背景の前に並んでいた。キャーキャーと奇声をあげ、回転に振り落とされぬよう互いに腕を回しあって支え合っていた。