いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

あはははは

「パパ、あはははは、して!」

「いいとも!」

 

我が家には「あはははは」という遊びが存在する。すっかりふたりの間では定着してきた。

 

娘の両脇の下をつかみ持ち上げたまま、私がその場でくるくると回転するのだ。私と娘は見つめ合ったまま周りの景色がどんどんと流れていく。まるで遊園地のコーヒーカップのように。

 

私たちはその状態で、ふたりして「あはははは、あははははは」と声を出して笑う。昔のトレンディドラマの浜辺でのカップルのように。

 

なぜだか娘はこれがお気に入りのようだ。私もやっていてとても楽しい気持ちになる。やり終わると目が回りくらくらするのだが、その状態も娘と一緒に笑い合うのがたまらなく好きだ。

 

さらに調子があがってくると、抱き上げるまでの助走をとり、それぞれに名前を大仰に呼びあいながら駆け寄り、そのままの勢いで抱き合いくるくると回り始める。空港で久々に再開を果たした遠距離恋愛中の恋人同士のように。

 

その「あはははは」の間だけ、私たちの背景はキラキラと輝き、私と娘の瞳は少女漫画における登場人物達のように眩い光を放つのだった。

 

在宅勤務を終えて、プライベートと切り替える際にはうってつけの遊びだ。娘はいつまでやりたがってくれるかな。要望がある限りやってあげられるよう、腕の筋肉もつけておかなくちゃ。