いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

拝啓 九州にいる妻へ②

別々の生活も、あと1週間ほどになりましたね。

 

あの娘が風邪をひいてしまい大変でしょう。早く元気になれるよう、どうか看病をよろしくお願いします。

 

さて、私にはついにアレがやってきました。孤独から来る“寂しさ”という名のモンスターです。日曜の夜に、それはふいに襲ってきました。

 

それまでは何とも無かったにも関わらず、寝室の電気を消したとたん、急に現れたのです。きっと休日が終わってしまうという憂鬱な気持ちも影響したのでしょう。

 

私はあまりの寂しさに、いつもは考えないような事も考え始めました。もしも次の転勤で府外に行くことになったらこの家はどうしようか、というような事です。

 

家具も買い揃えてきたし、今更引っ越しはめんどくさいな、とか。賃貸に出すにしても他人を住ませるのは少し嫌だな、とかです。かといって、単身赴任はとてつもなく寂しい。娘の成長を近くで見られないなんて、人生におけるこれ以上無いほどの損失です。

 

願わくば、大好きなこの家でずっと暮らしていたい。でもどうしても断れない転勤があったとしたら?そのときは会社を辞める?転職先はあるのか?そのような、とってつけたような不安が頭の中を巡っていました。

 

そんなことを悶々と考えていたので、朝起きてからも憂鬱でした。なんとか家を出て会社に向かったのですが、得てして、こんなときはとことんついていません。

 

会社につくと、鞄の中がびしょびしょに濡れていました。水筒の締まりが悪く、そこに入れていたお茶が盛大に溢れていたのです。そのせいで大切な本も濡れてしまいました。泣きっ面に蜂とはこのことでしょう。

 

憂鬱に憂鬱を塗り重ね、私はどん底にいるような気持ちになりました。しかし、仕事をやりはじめると少しだけ楽になりました。やはり忙しくしていると、幾分気がまぎれてくるものです。

 

家に帰ってからは、サッカー日本代表の試合を観ながら、今度の旅行で聴く為のプレイリストをつくりはじめました。まだ完成はしていませんが、なんとなく骨格は見えてきたように思います。旅行を彩る素敵なCDを作りたいなと思っています。

 

離ればなれになって以来、昨日は初めてビデオ通話をしませんでしたね。娘の体調が第一なので仕方ありません。元気な姿で再会できることを心から願っています。

 

今週はそちらも忙しいと言っていました。あなたまで体調を崩さないよう十分に用心をして下さい。私も心が風邪をひいてしまわぬよう、できるかぎり楽しいことを考え、過ごしていきたいと思います。

 

あと1週間です。お互い頑張りましょう。 敬具