いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ガオガオごっこの逆襲

拳銃強奪事件のせいで、昨日は一日中家で過ごした。

 

事件が起きたのは、家から徒歩十数分の場所だ。私たちは戸締まりをし、定期的にニュースを確認していた。

 

しかしそんな事情も娘は知る由もない。娘は、せっかくの休日なのにお外に行こうとしない私たちに向かって、遊ぼう、遊ぼう、とたゆまぬ波状攻撃を仕掛けていた。

 

そこで私は久しぶりに『ガオガオごっこ』をすることにした。猛獣になりきり娘を追いかける遊びだ。こんなときに不謹慎かとも思ったが、最近、夜は足跡を気にして自重していたので、日中ならと、思い立ったのだった。

 

しばし私が娘を追いかけ遊んだ。娘はキャッキャと騒ぎながら、毛布に隠れたり、1襲撃につき1度のみ使える「とまって」の魔法を駆使して逃げ回っていた。

 

しかし一度の休憩を挟んだのち、娘に変化が起きる。襲いかかる私に向かって、爪を尖らせた前足を掲げ、どう猛な牙を光らせながらに逆襲の意思を見せ始めたのだ。

 

私は踵を返して逃げ惑う。娘はうぅ〜うぅ〜と唸り声をあげながら、のっしのっしと私の背中を追った。私が布団に隠れると「どこいったぁ」と探す演技を加え、豪快に布団をひっぺがし、私の絶叫を誘った。

 

必死に怖がらせようとする娘が、本当に可愛かった。見ていた妻は、モンスターズ・ユニバーシティのマイクワゾウスキのようだと言っていた。言い得て妙だ。

 

私が「とまって」の魔法を繰り出すと、ひょっと口をすぼめて止まるのが、堪らなく愛らしかった。

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ちなみに、拳銃強奪犯は一夜明け捕まったようだ。よかった。あと怖い事といえば家の中にいる可愛いモンスターだが、そちらの方は、まだ暫くは捕まりそうにない。