いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

飲み会帰りの夜に

昨日は急に飲み会が入った。そのため家に帰り着くのがだいぶ遅くなってしまった。

 

私は既に娘たちが寝ていることを想定して、静かに家の中に入った。しかし鍵が回される音が聞こえたのだろう。ドアを開けると、和室からパジャマ姿の娘が飛び出してきた。

 

「ぱぱ、おかーり」

 

起こしてしまったのかな、妻に申し訳ないな、と思いつつも、やはり「お帰り」と言ってもらえるのは嬉しい。にこにこ顔を向ける娘に対して、頭を撫でながら「ただいま」を言った。

 

その後も嬉しそうに私についてくる娘を優しくいなしてから、私はひとり浴室でシャワーを浴びた。

 

もうさすがに寝ただろうなと思い、静かに和室に入ったのだが、娘は私の姿を見つけるとむくりと起き上がり、とたとたと近寄ってきた。

 

「ぱぱ、だっこ」

 

もしかして寝かけていたのかな、起こしてしまって申し訳ないな、と思いつつも、やはり抱っこをせがまれるのは嬉しい。

 

抱きかかえると、娘はいつもよりも強く抱き返してくれた。たしかに、娘とこんなにも一緒に居られなかった日は久しぶりだ。私と会えずに寂しいと感じてくれたのだろうかと思うと、なおいっそう娘が愛おしく感じられた。

 

その後、私も布団に横になったのだが、娘は目が覚めてしまったのか、私と妻に交互に覆い被さり、じゃれて遊びたがっていた。私は興奮させすぎないように留意しながらも、娘の要求にできる限り付き合ってあげていた。

 

そんな様子を見ていた妻は、なにを思ったかいきなりこんなことを言い出した。

 

「ぱぱにコチョコチョしたら?」

 

すると、娘はいたずらっ子の顔を浮かべ、私の脇腹をコチョコチョとくすぐりだしたのだ。

 

「ことことことこと・・・」と声をうわずらせながら口にする娘が、とにかく可愛らしかった。

 

娘がコチョコチョを繰り出したのは初めてのことらしい。妻はむちゃぶりのつもりで言ってみたとのことだ。きっと娘は、私たちがするのでそれを真似してみたのだろう。

 

私はしばらくの間、そんな娘のコチョコチョの餌食となった。私は声を上げ笑い、その様子をみた妻も楽しそうに微笑んでいた。

 

私が反応するものだから、娘はくすぐる手をなかなか緩めてはくれなかった。楽しそうな笑みを浮かべ「ことこと」と言いながら、私のお腹をくすぐり続けていた。

 

娘を少しだけ夜更かしさせてしまったことは反省しつつも、わずかでも娘や妻とスキンシップがとれて幸せな時間だった。

 

今日は早く家に帰ってこよう。

 

そして皆で腹がよじれるくらい笑い、楽しい時間を過ごしたいなと思う。