いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

美ら海と、たけうっち

沖縄2日目。昨日は朝からビーチを散歩し、ビュッフェを食べ、優雅な午前中を過ごした。

 

午後からは古宇利島周辺を探索し、美ら海水族館へと行った。水族館では娘は大喜びで、たくさんの魚を指差しては、私に「ほら!さかな!ほら!」と教えてくれた。

 

大きなジンベイザメに驚き、イルカのショーに興奮し、イルカへの餌やりを初めて体験できた。日中の気温は25℃と高く、夏休みかのような錯覚に陥った。

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そのように、メインイベントはとても楽しめた。しかしそこに向かう前に、実はちょっとした事件があった。

 

キャンプ中の日ハム選手の練習を覗きに行った際だ。宿泊ホテルが同じで、球場が近い為ふらり立ち寄った。

 

私は野球にほとんど興味がない。そのため、ミーハー心丸出しで選手を追いかけるその他メンバーを横目に、スタンドを歩き回る娘の相手をして過ごしていた。

 

しかし、そろそろ帰ろうかと球場から出たその時、見覚えのある女性に突然話しかけられた。それがテレビ朝日の竹内アナだったのである。

 

私は『やべっちFC』を毎週見ていたので、彼女にはとても親しみを抱いていた。そして実際に目の前に現れた彼女は、とてつもなく可愛いかった。

 

私は興奮して「たけうっちだ!たけうっちだ!うわっ可愛い!」と、ミーハー心丸出しで、馬鹿のような台詞を繰り出していた。

 

遠慮がちにハニカミながら「インタビューいいですか?」と尋ねてくる彼女。私の興奮状態が冷めやらぬまま、目の前でカメラが回り始めた。

 

結果は散々だった。言うべきことは言えず、言わんでいいことばかりを口走った。途中から、たけうっちもカメラマンも、使われないVになることを承知の上でインタビューを続けているような様子だった。

 

彼女らからすれば、キャンプの為にこの地に来て、お目当ての吉田投手を見られて大興奮、そんな人を捕まえてインタビューしたかったはずなのだ。

 

しかし私は、旅行のついでにふらり立ち寄った、野球にも吉田にもさして興味を持っていない男だ。しかも娘の相手をしていて選手もろくに見ていない。気の利いた感想なんて飛び出すはずもなかった。

 

その後、たけうっちには握手をしてもらい、記念に家族で写真も撮ってもらったのだが、直後から私を襲ったものは『ぬぐい切れぬ敗北感』だった。

 

冷静であれば、状況と相手側の需要を察知し、テレビで使われるコメントも言えたに違いない。

 

大阪からキャンプの為に来て、ホテルも同じ。昨日は大浴場で吉田投手とも一緒になった。オーラがあり、大物になりそうな予感。そんな気の利いたことでも言えば、報道ステーションで使われていたかもしれないのだ。

 

逃した魚はとてつもなく大きく感じた。水族館に向かう車の中で、様子を見ていた他のメンバーからもチクチクとダメ出しをされ、私はとても落ち込んだ。

 

瞬発力のない自分にも残念だったが、何より悲しいのは、たけうっちをがっかりさせてしまったことだ。

 

まぁ、その後は水族館で楽しく過ごし気分も晴れたのだが、ふと思い返してみると悔しい気持ちが蘇ってくる。

 

でも今回の反省を活かす他ない。家族といるときにカメラを向けられるのはこれで2回目だ。(前回はサバンナ高橋)大阪にいれば、また機会があるかもしれない。

 

「次は絶対、テレビで使われるコメントをするぞ!」なぜだか、生涯で一度も抱いたことのなかった目標が、ここ沖縄の地で私に芽生えた。

 

早く大阪に帰って、頭を冷やそう。