いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

はじめての川遊び

今日は家族で箕面公園に行ってきた。大阪市内からでも電車でアクセスできる、広大な自然公園だ。

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「夏らしいアウトドアな遊びがしたい」という妻の願望をかなえる為、昨日ネットで調べて行くことを決めた。川遊びと森林浴が私たちの目当てだった。

 

天気は快晴。気温はここ最近と同様、とても暑かった。歩いていると汗でTシャツが胸と背中にくっつき、ぬるいおしぼりをずっと当てられているような感覚だった。

 

公園に入ると、すぐに涼しげなせせらぎが聞こえた。

 

新緑の葉を茂らせた生き生きとした木々たち。その陰で覆われた歩道に足を踏み入れると、いっきに気温が下がったように感じられた。

 

眼下には岩場に沿って流れる清らかな小川。水の滴る音を聞いているだけで清々しい気持ちになれる。

 

まず私たちは、公園のシンボルでもある『箕面の滝』を目指して歩いた。しかし、滝まで残り1キロというところまで来て、舗装された道が通行止めになっていた。

 

先日の大雨で土砂崩れの危険があるため、一時的に通行規制をしているらしい。山道ルートを進めば滝に辿り着くこともできるようだが、ベビーカーで来ていた私たちはリスクを考え引き返すことにした。

 

滝を楽しみにしていた妻はとても残念がっていたが、こればかりは仕方が無い。滝については、また別の機会に持ち越すことにしよう。

 

私たちはその後、川沿いにあった食事処で昼食をとった。そしてご機嫌になった娘をつれ、水辺へと降り、水浴びをすることにした。

 

ベンチに荷物を置き、娘を水着に着替えさせた。足を覆うタイプのサンダルを履かせ、いざ水辺へ。人気のスポットらしく、周りには何組もの家族が子どもをつれて水遊びを楽しんでいた。

 

妻と二人がかりで娘を岩場から降ろす。ジャリジャリと小石の上を歩く感覚を楽しむ娘。川の近くまでくると、水の音が一層大きく感じられた。

 

比較的流れの穏やかな浅瀬を選び、まずは私が娘を抱っこして川の中へと入った。水はとてもヒンヤリとしている。足をつけただけなのに、身体中の汗がひいていくように感じられた。

 

ゆっくりと娘の足を川につけてみる。びくっと体を固まらせる娘。完全に足を川底へと降ろしてみたが、怖かったのかすぐに抱っこをせがんでくる。

 

それを何度か繰り返し、少しずつ水に慣れさせていった。私が手で水をばしゃばしゃしてみせると、娘も目を輝かせて真似をしだす。楽しくなってきたのか、もう怖がってはいないようだ。

 

その後は、手の届く範囲の中で娘を遊ばせていた。娘は川の底から小さな石を拾い上げては水面に投げ、はじける飛沫を全身で浴びながら、楽しそうに笑っていた。

 

しばらくすると、妻もサンダルを脱ぎ、私たちのいる水辺へと降りてきた。

 

スカートをまくし上げ、おそるおそる足を踏み入れる妻。最初は川の冷たさに顔をしかめていたが、次第に表情はほぐれ笑顔になっていった。

 

妻はしばらく岩場に腰掛け、足でぴちゃぴちゃと水を蹴っていた。大自然の空気を吸い込み、涼んだことにより、とても癒やされたのだろう。まるで少女のような、あどけない表情を浮かべていた。

 

娘の方はというと、その頃にはもうすっかり川と友達になっていた。

 

限られたテリトリーで遊ぶことにも物足りなさを感じはじめたのか、ぐいぐいと別の岩場へも歩いていこうとしていた。

 

私はそんな娘の手を取り、足を滑らせないように体を支えながら、彼女に危険が及ばない範囲で、川の中を探索させることにした。

 

よいしょ、よいしょ、とかけ声を口にしながら岩を踏みしめて歩く娘は、野生のパワーに満ち溢れていた。

 

そして、その嬉しそうな横顔を眺めながら、私は人知れず喜びを噛み締めたのだった。

 

川から上がると、娘は勢いよくゴクゴクとジュースを飲み干した。

 

そして水着から洋服に着替えている最中も、川を指差しては「じゃぶじゃぶ、いこ」と私たちにせがんでいた。

 

そうとう川遊びを気に入ったのだろう。

 

よし、また遊びにこよう。

 

帰り支度をしながら、私は早くも再訪を決意していた。

 

今度は滝も見られるところで遊べたらいいな。