いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ヒトリノ夜

娘に申し訳ないことをした。

 

昨日は夕方から、マンションの共有スペースであるキッズルームで娘と遊んだ。まだオモチャの数は少ないのだが広々としていて、娘と一緒にのびのび1時間半ほど身体を動かした。

 

その後、家に戻ると娘はコトンと眠りだした。なかなかはしゃいでいたので疲れたのだろう。そう思い、私と妻は娘をそのまま眠らせることにした。

 

それが結局、2時間以上の睡眠になった。起きてからはすぐに夕食を食べ、お風呂に入った。ぐっすり眠ったことで超回復した彼女は、いつもにも増して元気に溢れていた。トーマスやおさるのジョージのテーマ曲に合わせ、軽快なダンスを披露していた。(当然私も一緒だ)

 

そして家族みんなで寝室へと向かった。電気を消すと、すぐに睡魔が襲ってくる。私はいつのまにか眠りに落ちてしまっていた。

 

深夜、何かが身体にぶつかり目を覚ました。あれは何時ごろだったのだろう。寝ぼけ眼をひらくと、私の頭の横のところに、娘がちょこんと座っていた。

 

どうやら、私と妻が先に寝てしまったので、どうしたらよいかわからず、そのようにひとり暗闇の中で座って夜を過ごしていたようなのである。

 

いつもなら諦めて娘も眠りにつくのだが、この日はたっぷり昼寝をしてしまったので、無理にでも寝ることができなかったようだ。

 

私は娘に声をかけた。すると、私が起きたのが嬉しかったのか、顔に満面の笑みを浮かべた。そして嬉々として私の顔を覗き込み、こう言うのであった。

 

「ぱぱ、おきようよ」

 

その喜びに満ちた笑顔に胸が苦しくなった。しかしここで起きるわけにはいかない。眠くなくても、もう眠らなければならない時間なのだ。

 

私は寝るように娘を諭した。妻も一緒になって加勢する。娘はついに泣き出してしまった。そりゃそうだ。それで眠れないから苦労しているのだろう。

 

その後、泣き疲れもあったのか、娘はなんとか眠りについた。そして朝起きて娘の寝顔を見て、ふたたび胸の痛みが蘇ってきた。

 

果たして暗闇の中、ひとりでベッドに座り、彼女はどんな時間を過ごしていたのだろう。寂しくはなかったか。つらくはなかったか。

 

こうなることを予想して、夕方の眠りを適切に切り上げさせるべきだったのだ。「ぱぱ、おきようよ」そう言う娘の笑顔を思い出し、泣きたい気持ちになる。

 

昨夜のことは教訓にしようと思う。娘をひとりぼっちにするのは、これで最後だ。