いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

卒業、アンパンマンミュージアム

昨日行ったアンパンマンミュージアムの話。

 

1年ぶりに館内に入ったが、娘は予想していた通りに楽しんでくれた。私たちは娘についてまわり、時間を見ながら計画的にイベントを楽しんだ。私たちもこれで来るのは3回目なので、勝手は充分に心得ていた。

 

金曜日にも関わらず、入場者の数はこれまでで一番多いように感じた。子供だけならいいのだが、それに付き添う大人の数も多いので、ピーク時におけるフロアの圧迫感はなかなかのものだった。

 

そんな中、娘は誕生日メダルを首からさげ、園内を歩き回っていた。様子を観察していると、いくつか1年前から変化したところも発見した。ひとつはキャラクターの着ぐるみ達に対し、そっけなくなったところだ。

 

前回は、キャラクターに遭遇すれば誰これ構わずに近寄って、人の群れに割って入り、何度も何度もキャラクターにハグを求めていた。しかし今回はけっこうクールで、一応申し訳程度に近づきハグはするものの、その後はすぐに興味をなくし、別の場所へと遊びに行った。

 

もうひとつの変化としては、ショーで歌が流れても以前のように全身全霊では踊らなくなったことだ。手振りや口ずさみはするものの、前みたいな情熱は込められていない。去年の娘のように一生懸命に踊る子供たちを眺め、懐かしい気持ちを抱いた。アンパンマンソングで踊るには、娘は成長しすぎてしまったのかもしれない。

 

そのような娘の変化も確認しながら、やはりここに来るのもこれで最後だろうと、改めて妻と話していた。アンパンマンミュージアムを卒業したら、次はどこだろうか。いずれにせよ、娘の成長に喜びを感じていた。

 

しかし、そのようなことを考えていると、フロアにアンパンマンの着ぐるみが登場した。突然のことに殺到する子ども達。娘もその群に加わる。そしていつものごとくアンパンマンにハグしてもらっていた。私は他のキャラと同様に、それで気が済み帰ってくると予想していた。

 

でも娘はいつまでたってもアンパンマンの側を離れようとしなかった。何度も何度もしつこいくらいにハグを求め、アンパンマンとスタッフのお姉さんを少し戸惑わせていた。しかし優しいアンパンマンはそんな娘と手を繋ぎ、フロアを移動する際には娘も連れて歩いてくれた。

 

そんなアンパンマンの厚意を、娘は自分への好意と受け取ったようだ。次第にアンパンマンの“彼女”かのように振る舞いはじめたのである。何度か他の子にハグを求められ娘の手を離したアンパンマンに、娘はヤキモチ顔を浮かべ、再び手を繋ぐよう強く求めていた。

 

結局、アンパンマンがフロア出口から颯爽と出て行くまで、娘は手を繋いでもらっていた。娘が「誕生日メダル」を下げていたこともあり、アンパンマンやお姉さんは優遇をしてくれたのだろう。おかげで娘は気持ちよくアンパンマンの“彼女役”をまっとうできたようだ。

 

最後によい思い出ができてよかった。娘はまた行きたいねと今日も言っていたが、年齢的にも昨日で卒業だろう。次に行くのは下の子ができたときかな、なんて。