いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

辞書を絵本で引く

娘はよく辞書を手に取る。

 

私の本棚に置いてあるやつだ。三省堂の辞書はカバーがオレンジ色なので、そのポップさを気に入っているのかもしれない。とにかくよいしょと辞書を取り出しては、パラパラと楽しそうに捲っている。

 

昨日もベッドの上で辞書を開いていた。最近ではひらがなが読めるようになってきたので、「ほら!『た』あったよ!」などといい、読めるひらがなを指さしている。

 

昨日はたまたま開いていたのが『さ』のページだった。娘はその読み方を思い出せなかったのか、おもむろにリビングの方へと駆けていった。戻ってくると、手には娘が愛用する『あいうえお絵本』が握られていた。

 

あいうえおのボタンがついていて、押すと音声で読み方を教えてくれるものだ。娘はさきほどの辞書のページと、使い慣れた『あいうえお絵本』を見比べ、同じだと思われる文字のボタンを押した。

 

『ち』
「『ち』っていうんだって!」
「違う違う。これ『さ』って読むんだよ」

 

娘が押し間違えるのも仕方ない。辞書に書かれた『さ』は『ち』を反転したような、2画目と3画目が繋がったタイプの『さ』で書かれており、娘の絵本の方は3画目が離れたタイプの『さ』が書かれていたからだ。

 

昔から思っていたが、この表記が統一されていないのは、さぞ子供を混乱させるだろう。このように『さ』と『ち』を取り違える間違いも多発しているに違いない。

 

辞書を絵本で引く、という娘の面白い行動を見守っているうちに、日本語の奇妙な書き分け問題を再確認した。

 

さて、娘にはコレをどのように教えたものかなあ。