いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

クリスマスの朝

布団の中で鈴の音が聞こえたきがした。

 

娘を先頭に寝室から出て行く。リビングに入ると娘はきょろきょろと辺りを見渡した。ツリーの前に置かれたお目当てのものを見つけると、娘はマシュマロを頬張ったかのような幸せそうな満面の笑みを浮かべた。

 

「さんたさん、きてたー!」

 

ひとつは赤い大きな袋、もうひとつは小さな紙袋。ふたつとも娘が独占してしまわぬよう、なるほど、と先手をうって説明をしておく。ひとつは君ので、もうひとつは弟の分だね、と。

 

「どっちが自分のかな?」
「おっきいほう!」

 

娘がリボンを解き、赤い袋をあけ中を覗き込むと、嬉しそうに顔を上げ私にも中を覗くよう促してきた。覗いてみると、娘が前から欲しいと言っていた『すみっこぐらしのパソコン』だった。「サンタさんよく欲しいものわかったね」

 

せがまれるがまま箱をあけ電池を入れた。娘が電源のスイッチを押す。ほのぼのとしたメロディと共に、ポップな映像が液晶に映し出される。

 

対象年齢は6歳。だからまだ全ては使いこなせないだろうが、娘はずっとパソコンを触りたがっていた。在宅勤務中の私のパソコンもしかり、日記を書くのに使っているポメラもしかり。

 

たまに触らせてあげていたこともあって、娘は訳知り顔でマウスとキーボードを操作していた。テーブルに座り嬉しそうにマウスを握る娘の姿を、私と妻は目を細めながらに見つめていた。

 

メリークリスマス。私と妻からあげるプレゼントは、また一段落がついた後、ケーキを食べる際にでも渡そうかな。幸せな一日にしよう。