いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

「さいご」

娘はよく「もう1回」や「最後(の1回)」と言う。

 

好きな物を食べているときや、遊んでいるときによく使われる。その中でも、最近使いこなしてきたなと思うのが「最後」という言葉だ。

 

「もういっかい」「もういっかい」と何度も繰り返し、私たちが「さすがにもうお終いにしよ」と切り出した時に、娘はすかさず「さいご」と言う。

 

「さいご」と言えば、少なくともあと1回は確実にやれるということを、娘は理解しているのだ。

 

少し前までは「さいご」と言ったあとも、ふたたび「さいご」と言って、「もういっかい」と同じように使っていた節もあったのだが、最近だと本当に“最後の手段”として使ってくるようになった。

 

一応今でも、ダメもとで「さいご」を使ったあとに、「もういっかい」と言ってくることもあるのだが、「最後って言ったでしょ」と指摘すると、「だよね」という感じですぐに引き下がるようになった。

 

例えば、お風呂上がりにいつも飲みたがる牛乳は、1、2回目までは「もういっかい」でお代わりをし、3杯目には「さいご」で締めくくるというルーティーンのようなものもできてきた。

 

また、昨日久しぶりにアイスを食べさせたのだが、そのときはとにかく食べられるのが幸せという感じで、「最後ね」とこちらから言うと、「なんと、もう一口いただけるのですか!」という感じに目を輝かせ、大きな口を開けていた。

 

ただ、未だに例外なものもある。

 

最近ドハマり中のジブリ映画は、「さいご」と言ってからもなかなか見終わってくれない。少し前までトトロだけだったが、一昨日くらいからポニョもお気に入りに加わった。

 

何度も何度も「もういっかい」と催促してきて、なんとか「さいご」の言葉までを引き出すのだが、その後も駄々をこね、時には泣き叫び、私たちに「もう一回見せて」と懇願してくるのだ。

 

そんなわけで、ここのところ我が家では「トトロ」と「ポニョ」がテレビでロングランだ。いいかげんルールをつくりたいのだが、いまだ苦労している状況だ。

 

アイスのようにプレミアムな特別感を与えればいいのだろうか。うーん、でもそれはさすがに今更だよな。

 

それに「となり」や「崖の上」にいる特別でない身近な感じが、娘にとってはいいのだろうし。