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文学パパが綴るかけがえのない日常

インバスケットの研修を受けてきた

外部講師によるタイムマネジメント研修を受けてきた。

 

インバスケットというビジネスシミュレーションゲームを用いながら、仕事の優先順位の付け方、問題解決の仕方を学ぶ研修だ。インバスケットとは「未処理箱」のことで、その箱にたまった雑多な案件を、架空の人物になりきり、限られた時間で処理する内容のゲームだ。

 

私は一昨年、社内の昇格試験にてインバスケットを体験していた。手応えもあり、フィードバックされた内容も上々だったのだが、今後の更なる試験に向けて、模範的な解き方を一度身につけておきたいなと思っていた。

 

そのため私は、“日々の業務に活かす”という研修の趣旨とは若干ズレるが、“ゲームの攻略法を習得したい”というモチベーションでこの研修に参加した。

 

外部研修ということで、いつも以上にカジュアルなクールビズで参加した。身軽で気持ちよかった。ただ、研修会場についてみると、想像以上に同じ会社の人たちばかりだった。せめて同じ職場の人はいなくてよかった。せっかくの“非日常感”が台無しになるところだった。

 

研修は、講師の愉快な自己紹介からはじまった。インバスケット研究所なるところの講師で、本当にインバスケットの専門家らしい。昔は人気塾講師だったらしく、弁も立ち、説明も上手だった。

 

午前中のうちに、実際にインバスケットも体験した。制限時間は1時間で大小20の案件を処理する。私はまずそれぞれに優先順位をつけ、重要で且つ緊急性の高いものから処理していった。

 

午後は、自分たちで解いたインバスケットの内容を使いながら、解説やグループワークを通して理解を深めていった。同じグループはおとなしい人ばかりだったので、自然と私がその場を仕切り、グループ発表をこなした。

 

午後のカリキュラムでは、いくつかの気づきを得た。

 

まずは優先順位付けについて、これは自信が得られた。自分がつけた20案件の優先度が、模範的な例で示されたものと、ほぼほぼ一緒だったのである。多くの研修生が見逃していた案件同士の繋がり箇所も見逃さず、適切な優先順位が付けられていた。

 

普段の業務でも、優先順位付けについてはある程度の自信を持っていたので、それを裏付けるような結果となりとても嬉しかった。

 

次は問題解決の内容について。これについては、いくつか反省すべき点がみつかった。メリハリはつけていたものの、すべての案件をこなそうとしていた為に、一つ一つの案件への対応が薄いものになってしまっていた。

 

研修後、講師の方へも個別で質問に行ったのだが、やはり全ての案件をこなす必要はなく、重要ないくつかの案件に時間をつかい、その回答内容を充実させる方が、採点側への受けは良くなるのだそうだ。

 

採点者が見ているのは「総得点」ではなくて各評価項目の「バランス」であるらしい。そのため、理想を言えば重要ないくつかの案件の回答で、各評価項目への配慮をバランス良く示しながら、回答するのが良いそうだ。

 

「あなたが人事だったら、なにかの項目だけが極めて高い人と、バランスがよい人、どちらをマネージャーに相応しいと判断する?」そう聞かれて、とても得心がいった。言われてみればそうだ。つまり攻略する上では、バランスをアピールすることが最善、ということになる。

 

他にも、個別質問では採点についての裏側を聞けた。

 

まず、同じ評価項目の回答内容については優劣をつけていない。例えば「意思決定」という項目の中では、案件に対して「承認」していても、「保留」にしていても、採点自体は同じだと言うのだ。実際のビジネスでは、正しい意思決定というのが何かしらありそうなものだが、少なくともこのゲームではそこは見ていないらしい。

 

次に、採点は加点方式で行うらしい。つまりそれぞれの評価項目について何かしらの言及がありさえすれば、それはポイントとしてカウントされるのだ。文中にキーワードがひとつあるだけでもいいらしい。ポイント稼ぎの回答を書くだけなら、容易いことかもしれない。

 

最後に、細かいことだが「語尾や敬語など、細かい部分は採点対象となるか?」と聞いてみた。答えはNO。そんなところは全く見ていないらしい。加点方式ならそれもそうだろう。つまり、とにかくキーワードをぽんぽん入れて、書き殴っていけば良いわけだ。

 

以上を聞いて、攻略法についてはある程度イメージができた。次に受けるときには大きく戦略が変わりそうだ。そういう意味では、多くの収穫を得ることができた。

 

もちろん、本来の研修の趣旨であった、実際の業務に活かせそうな内容も多々あった。さっそく今日から使ってみるつもりだ。いい研修に参加できて良かった。