いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

お出かけならではの発言

お出かけの時にしか聞けない発言がある。

 

娘は最近、本当にいろんなことを喋るようになった。昨日も家族で梅田にお出かけをしたのだが、その道中に様々な言葉を聞くことができた。

 

「くるま、あぶない」

 

娘は基本的に自分の足で歩きたがる。しかし車が通る道は私が抱っこするようにしている。この言葉は、抱っこする際に私たちが毎回言い聞かせていたものだった。

 

しかし最近では、娘が自らその言葉を口にする。前までは抵抗を見せていたのに、その言葉を覚えてからはすんなり抱っこさせてくれるようになった。そして実際に車が通り過ぎると「あ~こわかった~」とも言う。

 

「わ、あっちぃ」「あ~すずしい」

 

これらも私たちが言っていた言葉の真似っこだ。太陽に照らされた歩道を歩くときには「あつい」、日陰に入ったときには「すずしい」と口にするのだ。

 

自分で歩いているときは、陰から陰へと渡り歩き「すずしい」「あつい」「すずしい」を繰り返している。日陰を歩くようになるのでありがたい習慣だ。

 

「あかはとまれ、あおはすすめ」

 

これも信号機の前に来るたびに自らで言うようになった。それまで私たちが都度言い聞かせてきた賜だろう。言葉だけでなく意味も理解しているようなので、私は聞くたび秘かに感動を覚える。

 

ちなみに信号が赤な時は、「ぱぱ、あおにして」とお願いしてくる。どうやら以前タイミングを見計らい「えいっ」として青に変えたことがあったので、私なら思い通りに青にすることができると思い込んでいるみたいだ。

 

このように、娘は私たちが言い聞かす言葉を習得し、使いこなすようになってきた。

 

私たちからしたらどれも覚えてもらいたかった言葉ばかりなので、娘が口にするようになったことを大変嬉しく思っている。

 

さて、そんな昨日は家具屋を見て回った後、お菓子や飲み物を買い、駅ビルの屋上庭園でゆっくりと過ごした。

 

庭園では涼しい秋の気候の中、私と娘は愉快に歩き回り、妻はゆっくりとベンチで和んでいた。

 

そんな中、昨日もっとも印象に残る発言をしたのは、娘ではなく妻だった。ゆっくりと佇んでいるそのときに、嬉しそうにこんなことを私に言ったのだ。

 

「久しぶりに雲が動いてるとこ見たよ」

 

妻の日常がいかに忙しく余裕がないものなのか。この場でどれほどリラックスでき心安まったのか。それらをこの一言が華麗に言い表してくれていた。

 

ここに来てよかったな、そう思わせてくれる素敵な一言だった。気候のいいうちに、また訪れることにしよう。