いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

和室に軟禁

娘に軟禁された。自宅の和室にである。

 

連休明けの最初の平日にはよくあることだが、昨日も私が会社から帰ると、娘がべったりと甘えてきた。休日中ずっと一緒にいた反動だろう。


当然私も悪い気はしない。娘を程よくいなしながら服を着替え、皆で夕食をとり、お風呂までを済ませた。

 

ただその後、リビングでの「ほっと一息タイム」にそれは起きた。娘の独占欲がピークに達したのだ。

 

娘は私の手をとり「こっちきて」と引っ張る。私は素直に彼女に従いリビング横の和室へと入っていった。彼女は私を部屋に押し込めるようにふすまを閉めていく。遂にはリビングとの連結部がすべて締め切られ、私は娘によって和室に閉じ込められてしまった。

 

二人っきりになると、娘はニタァっと笑みを浮かべた。これで私をひとりじめできると喜んでいるのだろう。リビングにいたら、なんだかんだでパパはテレビやママに気を取られちゃう、そう思っているようだった。

 

「あ~そ~ぼ」

 

その後は閉ざされた和室の中で娘と2人で遊んだ。途中、和室から出ようものなら「だめ、はいって、こわいから」とヘンテコな言い分で再び部屋に連れ戻された。ふすまを少し開けるのもダメ。立派な軟禁である。

 

そんな中で、私たちは電車のオモチャで遊んだり、ミニオンのかるたで遊んだり、ふわふわのボールをヘディングしたりして遊んだ。(なぜだかボールが頭に当たるのが可笑しいらしく、娘は大爆笑していた)

 

そしてふすまの隙間から、食卓でひとりテレビを観ているママを盗み見するという遊びもやった。

 

「あ、まま、いた」

「パパも見ていい?」

「いいよ、ほら、みて、まま、みえる」

「あ、ママが手を振ってるよ」

「きゃは、まま、ばいばいしてる」

 

当然、私たちの会話は丸聞こえなので、妻は適宜反応を示して盛り上げてくれた。(余談だが、妻が観ていたさんま御殿の総集編はとても面白そうだった)

 

結局、40分ほどの軟禁の後、私たちは歯磨きをして寝室に向かうことにした。娘はベッドの上でも遊びたがったが、夜更かしする子には鬼さん来るよと恐がらせ、なんとか就寝させるに至った。

 

そして今朝。

 

私はいつものように1人ベッドから起きようとしたのだが、その物音に気づいたのか、娘が寝ぼけたまま身体を起き上がらせた。そして私の姿を確認すると、驚くほどの早さで私にガシッと抱きついてきたのだ。

 

少しでも動こうとするなら拘束の腕に力を入れる。寝ぼけていながらも、その反応は俊敏で確実なものだった。私は娘が完全に眠るまでしばしその体勢を維持した。

 

10分ほど経ったのち、私は隙を見て娘の腕から逃れた。昨夜は軟禁。今朝は拘束。なんとも荒っぽい娘だ。

 

まったく、嬉しいったらありゃしない。