いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

マクドナルドで夕食を

食べてみた。昨夜のことだ。

 

無性に食べたかった、というわけではない。ただなんとなく『ひとり暮らし』っぽいことをしたかったのだ。妻と娘のいない、この非日常を味わってみようかと。

 

スマホでクーポンを探すといいものが見つかった。ポテトLとチキンナゲットが安くなっていたのだ。私はそれにチーズバーガー2つと水をつけて注文した。締めて600円ちょうど。我ながらいいセットに思えた。

 

熱々のポテトに齧りつきながら、ぼんやりと一日を振り返っていく。

 

昨日は仕事が忙しかった。というのも、担当で課長と先輩と派遣さんが急に休んだのだ。彼らの仕事がどっと回ってきた。しかも課長にいたってはインフルエンザ。向こう一週間の仕事をカバーしてあげなければならない。

 

しかも事業計画の策定やら、決裁やら、いろいろと忙しいこの時期に。ただ、そんなことを言っていても仕方がない。先輩と残ってせくせく働いた。マックに寄ったのはそんな帰り道だ。

 

それにしても、久しぶりに食べるマックはとてつもなくウマい。妻も私も大好きなのだが、娘が生まれてからというもの、めっきり行く機会が少なくなった。ポテトを齧りながら、うらやむ妻の顔が目に浮かんだ。

 

そういえば、マックではないが、娘もフライドポテトが好きだった。レストランでサイドメニューとして注文してあげると、いつも喜んでパクパクと食べる。ケチャップにディップするのも、どうやら楽しいみたいだ。

 

今度は一緒に来てみようかな、なんて考えていて、ふと我に返る。

 

妻と娘のいない非日常を味わおうと入ったマクドナルドで、気がつけば妻と娘のことばかりを考えていた。

 

ふり払おうと、勢いよくポテトに齧りついたが、萎びれたそれが音も立てずにぐにゃりと曲がった。