いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

プロフェッショナルな係員

台風により実家への滞在が1日延びた。

 

昨日は、翌日新幹線が終日動かないというJRの発表を受け、午前中のうちにみどりの窓口へと赴いた。博多駅などの主要駅では人が殺到しそうだったので、敢えて人が少なそうな小さな駅を選んだ。

 

窓口に着くと3組が順番待ちをしていた。私たちと同様に翌日の運休発表を受け来ていた人もいるようだった。

 

数分ほど待つと私たちの番になった。対応してくれたのは中年女性の係員で、見た目だけではその実力は測りかねた。小さな駅だし、あまり期待はしていなかった。

 

さっそく事情を話し、翌日に予約済みだったチケットを、なるべく早い別の便に変更したい旨を伝えた。運行が再開する16日がベストだが、最悪その翌日でも構わない、いくつかの候補を挙げてもらえたら嬉しいとも。

 

係の女性はすぐに理解を示し、手際よくオペレーションシステムを叩いた。まずは予約済みのチケットを発券し、そこから変更先となる別の便を探し始めた。

 

そのパネル操作はまさに職人技だった。その華麗なる手捌きは、スマホを手にしたギャルのフリック入力を彷彿とさせた。次々と候補となる席を見つけ出し、仮予約をする形でチケットを発券していった。

 

そして最終的には3パターンの候補を提示し、私たちに選ばせてくれた。運行が再開する16日夜の便。翌日17日の早朝の便。17日夕方の便。前の二つは近くだが隣の席ではなく、最後の一つだけは隣同士で座れる。

 

センスある提示の仕方に、私はホレボレとした気持ちを抱いた。なんとも選ぶ側に配慮した候補の立て方だろうか。妻と少し話をし、私たちは16日夜の便を選んだ。すぐにチケットを準備し、手渡してくれる。

 

気にしていた追加料金も請求されなかった。早割で予約していた割引価格のままで、変更後のチケットも購入できたのである。JRの懐の深さに感動を覚えた。

 

そんなわけで、有能な係員さんのお陰で、ものの数分でチケットの変更ができた。台風難民により夏季休暇中に大阪に帰れないことや、便の変更により追加料金が取られることさえ覚悟していた私たちは、想像以上のリカバリの結果に、晴れ晴れとした気持ちを抱いていた。

 

それにしても、係の女性には終始完璧な対応をしてもらった。これぞ接客業のプロフェッショナルだと思った。