いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

うちの娘

どの父親もそうだろうが、娘ほど可愛いものはない。

 

娘の顔を思い浮かべるだけで身体の芯がぽかぽかしてくる。一緒にいるとき、ついその顔に見入ってしまうことがある。ふとした瞬間に意味もなく抱きしめてしまう。

 

うちの娘はカワウソ顔だ。それもとびっきり愛らしいカワウソ。カワウソだからって決して生臭くなんかはない。いつも爽やかな石けんの香りに包まれている。

 

陶器のようにつるりとした肌、きょとんとした黒い瞳、真剣になるたび突き出される小ぶりな唇。そのすべてが愛おしくて、思わずしげしげと眺めてしまうのだった。

 

さらに娘は表情も豊かだ。笑った顔、怒った顔、しょげた顔、泣いた顔、おどけた顔、変な顔、驚いた顔、眠る顔。妻に似て、カメラを向けると笑顔が急にぎこちなるところもよい。彼女を愛する理由のひとつである。

 

そんな娘はよく私と遊んでくれる。「ぱぱ、あそぼ?」と一日に何回誘われるだろうか。ときには遊んでいる最中にも言われる。そのときは、この次の“枠”も事前に予約されたような気持ちになる。娘は寝ることよりも、食べることよりも、なにより遊ぶことが大好きなのだ。

 

たまに妻と私をとりあって争ってくれる。それなのに、夜寝るときには私よりも妻に抱きしめてもらいたがる。不思議だ。だけど結局は私にも身を寄せてくれて、ふたりだけで寝ることも多いのだけれど。

 

朝ひとり寝室を抜け出しソファでぼんやりしていると、ふと娘の顔が浮かんできて勢いで書いてしまった。もう少しで彼女が起きて、私のもとへと歩いてくるはずだ。

 

今日も娘は元気かな? 元気であるに違いない。