いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ひとりで食べたもん!

娘はワルい子だと大好きなママと寝られない。

 

しつけのために、そういう措置をとる夜があるのだ。そんなとき娘は「ままとねたいぃいぃ」と泣きじゃくる。

 

その“刑”が執行されるのには色々な原因がある。ご飯をお利口に食べなかったり、お片付けをしなかったり。つまりは妻の怒りポイントが閾値を越えたとき、その“刑”が発動されるのだ。

 

一昨日も、娘はママと寝られなかった。ご飯も食べないし、お片付けもしない、ワガママ放題だったのである。私は娘をなんとか泣き止ませ、妻のいないベッドで娘とふたり眠りについた(妻はリビングに布団で寝る)。

 

ただ昨日は比較的、娘はお利口だった。完璧というわけではないのだが、悪くはない。この調子でいけば今夜はみんなで眠れそうだ。そんなことを思いながら、私は本人にも感触も確かめてみることにした。

 

「今日はママと一緒に寝られるかな?」
「うん、だってひとりでたべたもん!」

 

夕食のことを言っているのだ。普段、食事の場面で娘が怒られるポイントは主にふたつある。①食べてる途中で席を立つ②ひとりで食べようとせず食べさせてもらう。

 

昨夜の夕飯は外食だった。そこで娘は席も立たずに、ひとりで与えられた料理を完食していたのである。そのことに、娘自身も手応えを感じていたのだろう。

 

その後、オモチャで少し部屋を散らかしたり、テレビでワガママを言ったりして、いくつかの叱られポイントはあったのだが、娘は何度でもその「夕食での見事な振る舞い」をアピールしてきて、面白かった。

 

「でも、ひとりでたべたもん!いすにもすわってた!」

 

そんな娘の執念が通じ、昨夜はみんなでベッドに入った。娘は真ん中に寝そべり、私と妻の顔を交互に見ては、嬉しそうに笑っていた。

 

よかったねえ。そんな娘の笑顔を見て、私も嬉しい気持ちになった。それに私にしてみても、みんなで川の字で寝る方が不思議と早く寝つけるのであった。