いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

娘の皿洗い

ワタシにもそれ、やらせて。

 

娘がそう言ってきたのはキッチンでのことだ。食洗機に入りきらなかった皿を、私が手で洗っていた。

 

最初は「すぐに終わらすから、遊んでなさい」とあしらっていたのだが、妙に真剣で頑なにその場を動かなかったので、抱っこして一度洗わせてみた。すると、なかなか上手に洗えるようだったので、踏み台を持ってきて、娘にやらせてみることにした。

 

娘はスポンジを泡立て、丁寧にお皿を洗った。すすぐときにはスポンジを置き、レバーを上げて水を出し、両手を使って泡を洗い流す。一枚終わると私の検査を受け、合格すると水切りラックに置く。

 

そんな流れで、娘はシンクに溜まった皿を一つ一つ洗い上げていった。途中、そろそろ満足したかなと思い、あとはパパがやっとくよと声をかけたが、まだやりたいと言い張った。最後には鍋やフライパンも洗い、台所にあった洗い物をすべて片付けた。

 

感謝を告げると娘は満足そうに笑った。買い物に行っていたママにも、誇らしげに報告をしていた。

 

なんで女の子はこんなにも家事をやりたがるのだろう。ママの真似をしたいのだろうか。掃除に洗濯、料理や皿洗いまで。男の子なら皿洗いなんて絶対やりたがらないのではないか。パパが洗っている間に、ひとり好きな遊びをしているに違いない。

 

もしかしたら専業主婦をママに持つ娘ならではの特性なのか。他の女の子がどうなのかはわからないが、何にせよ、すすんでお手伝いしてくれることは喜ばしいことだなと、改めて嬉しさを覚えた。

 

お手伝いに限らず、娘は「何事も練習すればできるようになる」を心情にしていて、しばしば口にもする。いい精神だな。私も見習わなければなるまい。