いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

幼虫の飼育

娘と一緒にカブトムシの幼虫を飼いだした。

 

正確に言えばカブトムシかクワガタかはまだわからない。小さなかごに入れて飼っている。5匹いる。

 

先週末に近所の緑地公園で捕まえた。いつものようにダンゴムシを探し、めぼしい土を掘り起こしている時に出会った。狙いを定めて近くの土も詮索したところ、続けざまに5匹を見つけることができた。

 

虫取りゲージを持って行っていたので、そこに掘り起こした土や落ち葉も一緒に入れ、5匹の幼虫たちを連れて帰った。現在はベランダで飼っている。

 

私も小さい頃はよく幼虫探しをしたものだ。しかし思い返してみても、幼虫から成虫まで育てた経験は無い。娘もそうだが、私も現在ワクワクしている。

 

毎晩のように娘とベランダに出ては、彼らの成長を見守っている。今日も定時で在宅勤務を上がると、娘に見に行こうよと声をかけた。すると娘はぱっと表情を明るくし、先陣を切ってベランダへと出て行った。パカッとかごをあけ、優しく土を掘り返す。

 

いっぴき、にひき、と指でつまみ上げ、生存確認をしていく。逃げ出す心配はないのだが、5匹全員がいることを確認できると、やはり少しだけほっとするのだった。気のせいかもしれないけれど、一日毎に大きくなっている気がする。

 

女の子では幼虫を触れない子も多いのだろうが、娘はダンゴムシを経て免疫を持っていたので、平然と触っている。私が「可愛い、可愛い」とおまじないをかけたのも功を奏したのだろう。

 

自分では幼虫を触ることができない妻も、「まあ、子供のうちだけだろうから」と、娘に虫を触らせることを許可してくれている。たしかに大人になると彼女も気持ち悪がるようになるのだろう。そう思うと、今のうちに貴重な体験をさせてあげたい。

 

弱っているようなら自然に帰そうとも思っていたが、思いのほか居心地が良さそうなので、もう少し様子を見ながら飼ってみることにする。私が小さい頃に憧れていた『成虫まで育てる』という夢ははたして叶うのか。娘と大切に見守っていきたい。