いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

はじめての植物園

嬉々として石を並べる子供らを眺めていた。

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私の顔にはへばりついた無表情。暑さからくる疲労で、口角を上げることさえ気が進まなかった。それでも仲睦まじい彼女らを眺め、目だけは細めている。

 

近所の服部緑地に隣接する、服部植物園に来ていた。存在は知っており、いつか行こうとは思っていたものの、きっかけがなくこれまで訪れたことがなかった。

 

今回は妻が父の日イベントを見つけてきたので、ついに訪れることを決意したのであった。とはいえ、昼過ぎからのんびり訪れたので、イベントのほとんどは受付が終了していた。ただそもそもそれを目的にはしておらず、単なるきっかけだったので私は構わなかった。娘は少しだけ残念がっていたのだけれど。

 

園内をぶらりと歩く。思っていたよりも植物園然とはしておらず、どちらかというと植物公園といったような様相であった。わずか220円だが、一応は有料なので、良く整備されており、無料公園と比べると人足も少なく過ごしやすかった。

 

テントを張ってくつろいでいる家族も多く、これは人混みを避けのんびりと過ごしたい週末には打ってつけの場所に思えた。私たちも今度はテントを持って、午前中のうちから訪れようかと妻と話した。園内は広々としていて、木陰も多く、自分たちのテリトリーを容易に確保できそうに思えた。

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日差しが強く、歩いているだけでも大人たちはバテてしまったが、子供たちは適度な水分補充を挟むとすぐに回復し、松ぼっくりや木の棒を拾っては、川に流したり、排水溝の隙間に落としたりして楽しんでいた。

 

冒頭に書いた石並べは、休憩スペースでの一幕だ。お菓子を早々に食べ終えた彼女らは、飽きもせずいつまでも石を木箱の淵に並べていた。子供たちは暑さになんてへこたれていない様子だ。石なんかがあればいくらでも遊んでられる。帰り際、彼らの並べた石を片付けながら、子供たちの逞しさを感じていた。

 

蓄えた疲労感は早く寝て回復することにしよう。来週もなかなかハードになりそうだ。それでも子供たちを見習い逞しく、そして楽しく日々を過ごさなければ。