いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

よるのおさんぽ

パジャマ姿の息子に靴を履かせ玄関を出た。

 

もわんとしと外気がすぐに身体に纏わりついてくる。私自身も久々に外気に触れたので、こんなにも夏になっていたのかと驚きを覚える。在宅勤務だと体感温度はほぼ一定だ。

 

なぜ夜中に外に出るのかというと、息子が最近外に出ていないからだ。数日前から咳をするようになり、大事をとって外出を控えていた。熱もなく本人もいたって元気なので、遊びたい元気は有り余っている。

 

そんなわけで、人もいなくて迷惑をかけないだろう夜に息子と散歩してきたのだ。とはいえ、マンションの敷地内やマンション裏の路地だけだけれど。

 

それでも息子はとても嬉しそうに歩き回っていた。いつもなら手を引かれ、行き先を我々に制されて進むのだが、今日に限っては彼の行きたいところに向かわせてあげた。私は危険が及ばない限りは彼の後ろについて回り、サポートする際には優しく手を繋いだ。

 

結構な時間散策したが、結局最後まで誰ともすれ違わなかった。息子は興味の赴くままに道を選び、エレベーターや階段を昇り降りし、マンションの少し入り組んだ構造の究明に挑んでいるかのような面持ちも浮かべていた。

 

家に帰るのを察すると、彼は露骨に嫌な顔になり抵抗した。最後は抱きかかえての帰宅。それでもいくぶん満足できたのか、そのあとはしばしご機嫌だった。

 

やっぱり外に出るのはストレス発散できるよね。早く彼の体調が万全に戻ることを切に願っている。