いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

パパかママかどっちか

パパを指差す。

「ぱぱ!」

ママを指差す。

「ぱぱ!」

「ちがうこっちはママ」

もう一度ママを指差す。

「まま!」

パパを指差す。

「まま!」

「……」

 

何度繰り返してもこんな感じである。息子は「ぱぱ」も「まま」も言えるのだが、どちらか一方を口にすると、両者に向かって同じ呼称を使うのである。

 

それでも息子本人は、ひとの名前を覚えてきたことに手応えを感じているようだ。自信に溢れた顔で家族を指差し、名前当てを繰り広げる。

 

両親に対しては前述した通りなのだが、一方でお姉ちゃんは百発百中で正しく言い当てる。「◯◯ちゃん」と一番文字数も多いのに。まったく羨ましい限りだ。

 

当然娘はそれを聞いて得意げになり、「やっぱり◯◯くん、わたしのことがすきみたい」とご満悦なのであった。息子が姉好きであるのは間違いないのだけど。

 

私たちも早く息子に正しく覚えてもらいたいものだ。