いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

実行力

橋下徹の著書『実行力』を読了した。
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世の中には橋下さんのことを嫌いな人も多いだろう。現に、うちの家族の多くは彼のことを嫌っている。

 

ただ私は、彼の考え方や姿勢、物事の語り方が好きだ。妻には悪趣味だと言われているが、橋下さんが不勉強な記者を相手に完膚なきまでに論破する動画などを、たまに見て楽しんでいる。とにかく見ていて痛快なのだ。

 

そんな彼の本なので、発売前から楽しみにしていた。そして実際に読み終わり、高い満足感を得られている。

 

この本では、橋下さんが府知事・市長だった8年間で挑んだ『大阪都構想』の舞台裏が赤裸々に語られている。そして、そこで彼が実感した「リーダに求められる要素」が体系的にまとめられているのだ。

 

特に私は、大阪府民として選挙に参加する上で、『大阪都構想』について詳しく調べた時期があったので、読んでいてとても楽しめた。

 

改めて、橋下さんは本当に多くの障害を乗り越え、大阪都構想をあと一歩のところまで持って行ったんだな、と感慨深い気持ちにさせられた。改革自体への是非はどうあれ、彼が歩んだ過酷な道のりを知れば、多くの人が敬意を払うのではないだろうか。

 

また、提言されている「リーダに求められる要素」については、自身の体験と結び付けて語られる部分もさることながら、誰もが知っているような、記憶新しい時事ネタ(安保法案、築地移転、森友学園等)を例に出し、持論に肉付けしていく部分が見事だった。とてもわかりやすく、説得力があった。

 

つまりこの本は、橋下さんの歩んだ『大阪都構想』の裏側を知ることもできるし、純粋なビジネス書として『リーダーに求められる要素』を体系的に学ぶこともできる。更には、有名な時事ネタに対する魅力的な論説を読むことまでできるのだ。

 

そのような味わい深い本の構成にしているところからも、本当に頭がいい人なんだろうな、と思わされた。


好戦的で人に嫌われやすく、必要以上に敵を作りすぎるところは見習いたくはないが、私の理想を目指す上で、橋下さんから学ぶところは多いなと再確認した。

 

橋下さんの大改革とは比べものにはならないが、私もリーダとして組織内で業務改革を行なっている。この本で学んだことを、大いに活用させてもらおうと思う。

 

それにしても、彼が『大阪都構想』の次に思い描いていた『道州制(廃県置州)』の改革構想には心動かされた。彼の意思を継ぐ者が、いつか現れたら面白いな。