いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

季節の移ろい

昨日は家の中でゆっくりと過ごしていた。しかし夕方、夏休みの締めくくりも兼ねて、いつもの公園に娘と出かけることにした。

 

一年を通して同じ場所を何度も訪れていると、季節の移ろいをはっきりと実感することができる。お盆を挟んだわずか数日の間に、この町は秋への装い支度をはじめているようだ。

 

まず風が違う。

 

これまでの風は、厚手のカーテンが身体にまとわりつくかのようだったのに比べ、今は薄いレースのカーテンが肌を撫でるかのようだ。温度と湿度の粒子がろ過され、ずいぶんと軽くなったように感じられる。

 

次に木々たちだ。

 

このあいだまでの溌剌さはどこへやら。心なしかどの葉っぱもうつむき、地面を見下ろしているかのように見える。“落ち葉”としてのセカンドライフが気になるのか、どのへんに落ちようかと当たりをつけているみたいだ。

 

そのほかにも、娘と一緒に公園を歩いていると、数日前からの変化をいくつも見つけることができた。

 

娘が草むらをかき分け歩くと二匹のバッタが飛び出してきた。枯れ枝ひろいでは前よりも大きな獲物が手に入るようになった。セミの鳴き声がいつのまにか聞こえなくなっていた。

 

私は、だいだいに染まる空を眺めながら、清々しさを感じていた。

 

娘を遊ばせるために来ている公園だが、最近ではここに来るたび、自分の心が洗われるような気持ちになる。

 

もうすぐ娘にとって2度目の夏が終わる。そして娘は誕生日を迎え、2歳になるのだ。

 

こんな風にあっという間に時間は過ぎていくのかもしれない。帰り道、娘を乗せた自転車を漕ぎながら、そんなことを思った。

 

だからこそ、目に映るこの景色をできる限り書き残しておきたい。

 

今日から仕事が再開する。新しい季節は、もうそこまで来ている。