いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

社長表彰をもらった

昨日は会社の表彰式に出席してきた。

 

取り組んだひとつの案件が、昨年度の「年間優秀賞」に選ばれたのだ。会社への多大なる貢献が認められたいくつかの施策へ贈られる、1年で最も名誉ある賞だ。

 

入社して以来、この賞を受賞するのは確か2度目だが、表彰式に出席するのは今回が初めてだった。場所は帝国ホテル。会場につくと、まずはリハーサルを行った。

 

レッドカーペットを歩き、金屏風が立てられたステージの上に整列する。順番に前に出て、社長から賞状と目録を受け取り、握手をする。とても厳かな雰囲気だった。

 

表彰式を取り仕切っていた人が旧職場の先輩だったので、いろいろと話を聞いてみたが、例年この表彰式だけは、厳粛な雰囲気のなか執り行われているらしい。

 

リハが終わると、わりとすぐに本番が始まった。社長をはじめとする全国の幹部達が、受賞者の脇を固める。本番は音楽やスポットライトもあり、さらに式典らしい雰囲気に包まれた。少しだけ、栄えある気持ちになった。

 

表彰式のあとは、懇親会の会場へと移動した。帝国ホテルのビュフェをはじめ、銀座久兵衛の寿司、ステーキの鉄板焼きなど、豪勢な料理が並べられていた。

 

私は真っ先に寿司を、そのあとにステーキをと、人気メニューから順番に制覇していった。しかし途中、ひとつだけ計算が狂ってしまう。帝国ホテルのカレーが、そうこうしているうちに全て無くなってしまったのだ。

 

ホテルで普通に食べると1皿2,300円もするカレーらしい。私も元よりその話を聞いていて、当然マークはしていたのだが、まさか何より先にカレーから無くなるなんてのは、さすがに想定外のことだった。

 

そんな悲しい出来事がありつつも、懇親会では案外充実した時間が過ごせた。結婚式にも招いた元上司や、前職場でお世話になった方など、知り合いの人も結構いて、その人らとも久しぶりに話せて、とても楽しかった。

 

途中、場を盛り上げる為の催し物もあり、USJパフォーマーが宴会芸を披露していた。会場がそちらに釘付けになっている中、私はステーキを8皿くらい食べた。

 

その後はデザートにも手をつけた。今日ばかりはダイエットを忘れよう、だってせっかくのお祝いではないか。自分に対する言い訳にも隙がなかった。

 

その後、奇跡が起きる。なんと宴会の終盤となって、ホテルカレーのお代わりが登場したのだ。私が食べられずに残念がっていたことを知っていた同僚が、私に山盛りのカレーをついで、持ってきてくれた。

 

私は既にお腹いっぱいだったが、彼の善意を無駄にはできない。震える手でスプーンを掴み、カレーを頬張った。とてつもなく旨かった。私は同僚と2人で、そのカレーを食べきった。どうやら旨いカレーは別腹らしい。

 

そんなわけで、ホテルでの表彰式は、思いのほか楽しく過ごすことができた。最初は式典なんてメンドクセー、なんてことも思っていたのだが、実際に来てチヤホヤされると、まんざらでもない気持ちになるものだ。

 

次もこの栄えある賞が取れるよう頑張ろう。そんな気持ちも芽生え、まんまと会社側の思惑にはまるのだった。