いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ちくりっ娘

娘はママが大好きだ。

 

そんなママから褒められるためだったら、娘は私を踏み台にする。例えば、昨日でいえばこんなシーンだ。

 

私と妻が、頂き物のクッキーをどう分けるかで冗談の言い合いをしていた。すると娘が私をきっと睨みつけ、「ぱぱだめ、ままのでしょ」と言ってくるのであった。

 

私がひるみ、クッキーから手を離すと、褒美を求める仔犬のような表情を浮かべ娘がママを見た。加勢をしてくれた娘を妻が褒めると、娘は満足そうに微笑んでいた。

 

これが「加勢」パターン。他には「ちくり」がある。

 

私が何か不備のある行動すると(例えば物を落とす等)、ママに聞こえるように大きな声で私を叱りつけ、その足でママの元へと赴き、そのことを報告するのだ。

 

パパがこんなにイケナイことしてたよ、でもわたしがこんな風に叱ったよ、と。半分くらいは娘の早とちりで、ママが私を庇ってくれる。そのときは私の元へと戻ってきて「まま、いいって」と悪びれもなく言うのだった。

 

ただ、もう半分の「あたり」を引いたときは(つまりは私が本当にイケナイことをしたときには)、鬼の首を取ったかのような表情でふたたび私の元へと来ると、改めてママの言葉も借りながら叱りつけてくるのであった。

 

他人を蹴落として相対的に評価を上げても、それは一過性のものにしか過ぎないぜ。サラリーマンとして熾烈な(?)競争環境に身を置く私としては、娘にそう助言をしたいところだ。娘に叱られるのは大好きなのだけど。