いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

なまえ仮決定

妻のお腹にいる第二子の名前が仮決定した。

 

来週から妻が出産に向けて里帰りをするため、我々は折に触れては『名前決め会議』を繰り返し開催していた。

 

極限まで「発散」をさせ、気になる名前や漢字を落書き帳に列挙していった。そしてもう出ないだろう、というところで次は「収束」をはじめる。書き殴られたものの中から、キラリと光るものを改めて清書してみるのだ。

 

私は字が汚いため清書は妻が担当した。どんなに良い名前であっても私が書くと途端に野暮ったく見えるからである。私たちは掬い上げたいくつかの砂金たちの中から、更にひときわ心に訴えてくる漢字に焦点を当てた。

 

妻とも意見が合い、まずはその一文字目が仮決定した。漢字二文字の名前というイメージがあった為、それに添えるもう一文字を探す作業へと突入する。

 

私は五十音を順番に当てはめていき、音として気持ちの良い、ある平仮名に狙いを定めた。あとはその音を鳴らす漢字の中から、意味もふくめて最もしっくりとくる、後ろ添えの一文字を探すこととした。

 

結局は二つにまで絞れ、字画の評価も同等だとわかったところで、その日の会議は終了とした。その後一夜明け、妻と私は同じ方の漢字にしたいと意見が合った。

 

そんなわけで第二子の名前が仮決定した。まだ“仮”としているのは、第一子の際も仮決定後に二文字目が変更するということがあったからだ。生まれるギリギリまで、後悔を残さぬよう模索は続けていくつもりである。

 

ただ今のところはその名前をとても気に入っている。響きもいいし、想起される雰囲気も私たちがイメージしていた通りだ。実際に会える日が更に待ち遠しくなった。