いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

池に入る少女

幼稚園で娘がひとり池に入ったらしい。

 

池と言っても通称『じゃぶじゃぶ池』と呼ばれるほどの浅い池だ。ただおかげで服はびしょ濡れ。着替えをする羽目になったそうである。

 

お友達と一緒、というわけでもなく、彼女はひとりで池に入ったらしい。そういえば娘は水たまりも大好きで、よくばしゃばしゃと遊んでいた。なぜ入ったのかと彼女に問えば「そこに池があったから」ときっと応えるであろう。

 

それにしても、園庭で遊ぶ自由時間、ひとり池の前で靴と靴下を脱ぎ、ひとり池に入っていく娘の姿を想像すると、可笑しさがこみ上げてくる。発見した先生はさぞびっくりしただろう。

 

迎えに行ったばあばが先生に「この子少し変わってますものね」と聞くと、先生は笑うだけで否定はしなかったようだ。もちろん、親からしたらそんなところもとても可愛いのだけれど。

 

ただこれが深い池だったら、と思うと少し怖さも覚える。もちろんそんな危ない池は幼稚園にはないし、あったとしても入れないようになっているはずだけど、『そこに池があれば入る』娘は果たして安全性まで考慮できるだろうか。

 

大人に「入ってもいい?」とも聞いてくれればまだいいのだけど、今回のように自分で判断されたらと思うと恐ろしい。危険がある場所では目が離せないな、と改めて思わされた。

 

ただ、好奇心旺盛で積極的な娘の性格は愛おしい。ちょっと変わっててもいいじゃない。池を発見し、わくわくしてひとり池に入っちゃう娘の姿を想像し、ふたたび頬が緩むのを感じた。