いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

今日から仕事復帰

「ぱぱ、ここは?」
「仕事」
「ここは?」
「仕事」
「ここは?」
「ここからは、休み休み休み」
「じゃここからは?」
「仕事仕事仕事仕事、休み休み」
「ここは?」
「仕事仕事仕事仕事仕事、休み休み」
「え~!おしごとばっかりじゃん!」
「そ~なんだよ~!!」

 

私は娘に泣きついた。1月を開いた卓上カレンダーを手に、娘に訊かれてスケジュールを教えていたのだ。その後も娘は2月をめくり、3月をめくりと、各ラインごとの予定を訊ねてきた。

 

次第に土曜の青と日曜の赤は休みだとわかったようで、「ここからここはおしごとで、こことここはおやすみ?」と確認する作業となった。

 

改めて、冬休み以降のスケジュールは私にとっては地獄のように思えた。たまに祝日は挟まれるものの、それも数えられる程度。わかっていたことだが確認したことで悲しみは増幅した。

 

「あ!ぱぱ、ここに5こおやすみがあるよ!」

 

娘が大声をあげた。みれば5月のゴールデンウィークを指さしていた。そうか、もはや夏休みまで我慢しなければならない気分でいたが、我々にはゴールデンウィークがあったのだ。

 

それも曜日の並びを見る限り、うまく飛び石連休を埋めれば11連休が作れそうであった。私はにわかに舞い上がり生きる希望が湧いてきた。

 

そんなわけで、今日からの仕事復帰は、ゴールデンウィークを心の支えに、なんとか頑張っていきたいと思っている。

 

「あ、ここにも5こおやすみがある!」

 

娘はさらに声をあげ、私をふたたび舞い上がらせた。期待をもってカレンダーを覗き込む。

 

「ほらここ、あおが5こならんでるよ」

 

娘はカレンダーの土曜日の欄を縦になぞり、無邪気にそう言った。私の期待感は急速にしぼんでいった。そんなふうに時は流れてくれないのよ。でも子供らしい自由な発想に心が和んだ。