いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

盛大に豆まき

昨日は家族で節分をおおいに満喫できた。

 

仕事もなんとか目途がたち定時で上がれたのである。家に帰ると、既に妻と娘がスタンバイしており、着替えると早々に豆まきが始まった。

 

妻が手作りで『鬼滅の刃』のキャラクター(炭治郎と禰󠄀豆子)のお面と、段ボールとアルミ箔で刀と鞘まで作っていた。娘はそれを上機嫌で腰にぶらさげており、鬼に豆をぶつけた後に刀で切って退治してやる、と意気込んでいた。

 

あとは娘が幼稚園でつくった鬼のお面と、個包装で包まれた豆が準備されていた。豆は個包装のまま鬼にぶつける。豆を粒でぶつけると後片付けが大変だし、もし拾い忘れて赤ちゃんが食べたら大変だから、という妻の考えからだ。

 

まずは私が鬼をかってでた。うめき声をあげながら仮面をつけてリビングに入ると、炭治郎のお面をつけた凛々しい表情の娘と対峙した。

 

「おにはぁ〜そとぉ~!!」

 

禰󠄀豆子のお面をつけた妻も加勢して、豆の一斉放火がはじまった。個包装のままとは言えなかなか痛い。それでもなんとか鬼をまっとうし、豆の勢いにずるずると後退する姿勢をとった。そして豆の攻撃がやむと、ついに娘が刀を抜いた。

 

「でりゃ~!」娘が刀を振りかざし襲い掛かってくる。「でんしゅーちゅー!」と覚えたての決め台詞も口にしていた。刀はなかなか立派な強度で、私は逃げる背中を縦横に切られた。

 

なかなか盛り上がったな、と思いリビングへと戻ると、娘が「つぎはママがオニやって!」と指示を飛ばしていた。お面を取り替え、妻がさっそく鬼をやる。ふたたび娘は大喜びで、思い切り豆を投げ、刀を勇ましく振り回していた。

 

それが終わると「つぎはワタシがオニ〜!」と娘が言い出した。私たちのを見てやりたくなったのだろう。娘は嬉々として鬼に扮し、私たちに襲いかかってきた。豆や刀を控えめに当てたが、娘オニはなかなか退散しない。最後は私が抱き抱え、玄関口まで運ぶ形で退散させた。

 

やっとこれで終わった。たいへん盛り上がって良かった。そう思っていたのだが、娘が駆け足で戻ってくると、満面の笑みでこう言った。

 

「あと3かいずつ、これやろー!」

 

んなアホな。そう思ったがその後ほんとうに3回ずつそれを順番に繰り返した。途中「やっぱり4かいずつ!」なんて言い出すので、3回でやめさせるのも大変だったくらいである。

 

豆まきを先月からずっと楽しみにしていた娘。実際にやってみると肩透かしを喰らい、こんな地味なものかとガッカリするかも、と少し心配していたのだが、そんな心配は無用であった。

 

豆まきの後は、投げていた豆を皆で食べながら「マメマキおいしいね」とご満悦だった。さらには今朝起きてからも娘は嬉しそうだった。

 

「きのうは、おにはあそと、楽しかったね〜」

 

娘の大好きなイベントがまた一つ増えたようだ。親としてはなんとも冥利に尽きることだ。