いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

六甲山スノーパーク

肌にあたる風はひんやりとしていた。

 

しかし身体はぽかぽかしていた。グローブの隙間から入り込む雪は冷たかったが、踏みしめる真っ白な地面からの照り返しで頬は熱かった。

 

私と友人は懸命に雪をかき集めていた。その雪で築いた壁はあらかた完成しており、続いて慎重な手つきで屋根の構築に取りかかっていた。

 

先程まで壁の積み上げを無邪気に妨害していた友人の息子は、今ではママに見守られながらにソリをひいて遊んでいる。私の娘はスコップを握り、パパたちを見よう見まねで壁にぺたぺたと雪をくっつけている。

 

私たちはかまくらを作ろうとしていた。そしてそれは小一時間の作業の末、無事に完成した。

 

それはなかなか立派なもので、四歳の娘と一歳になる友人の息子がすっぽりと中に入れた。ママたちは嬉しそうにその様子を写真に収めていた。シングル、ツーショット、家族単位。角度も正面から、壁に作った小窓から、などなど。

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かまくらの次は雪ぞり用の滑走路を作った。雪を集めて小高い発射台を作り、そこから滑り降りる勢いで、子ども達はすいすいと雪の上を滑っていった。まわりで雪遊びをしていた子ども達からの、羨ましそうな視線が心地よかった。

 

ソリ遊びは大人たちも夢中になった。大きな大人がソリに乗って滑る姿はなんとも滑稽で、私と友人とその妻たちは何度も大笑いしていた。

 

定番の雪だるまも作った。飾り付けは妻たちが担当し、愛らしい雪だるまが完成した。その前でもひととおりに写真を撮る。雪合戦は折々で勃発していたので、雪でできる遊びをひととおり満喫できた気持ちになった。

 

最後はパーク内にある雪ぞり専用ゲレンデで遊んだ。娘は何度もソリで滑りたがり、帰る間際まであと何回となかなかの粘りを見せていた。

 

娘は私の友人にとても懐いていた。何度も抱っこされ遊んでもらい、本当に楽しそうに名前を呼んでいた。別れの際はとても寂しがったが、今度はBBQをしようと約束を交わしていた。


妻の運転で、六甲山スノーパークを後にした。心地よい疲労感が全身を包んでいた。本当に楽しかった。子ども達だけでなく、大人達にとっても久しぶりに心から笑えた楽しい一日だった。