いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

リフレッシュデー

妻と隣り合って蕎麦をすする。

 

月に一度ほどの恒例行事だ。今日も年休をとり、妻と行きつけの蕎麦屋でランチをした。

 

11時過ぎに店に着いたのだが、店内にはすでに待ち行列ができていた。30分ほど待った後に席につく。そこまでしてでも食べたいと客に思わせるところが、この店の凄いところだ。

 

たしかにどんなに休載が多くたって『ハンター×ハンター』の続きは読みたい。エヴァンゲリオンのファンも同じ気持ちであろう。良いものが得られるのであれば、人はいくらだって待つことができる。そう考えると、作り手にとって好ましい、真っ当な世の中ではないか。


妻とそれぞれ好みの蕎麦を選び、ふたりで天ぷらの盛り合わせを分け合った。この店のものを食べると、とたんにボキャブラリーが貧相になる。「美味しい」という言葉以外、発することができなくなるのだ。

 

いつもどおりの満足感に包まれて、店を出て妻と隣同士で歩いた。スーパーでは妻がカートを押し、私が息子を乗せたベビーカーを押した。

 

最近では平日にたまにとる年休をとても楽しみにしている。会社のチャットには忙しなく連絡が入るが、今日は一切開かなかった。こういうリフレッシュデーがなければやってられないよね。そう妻と言い合い、一緒に笑っていた。