いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ハイハイレース

娘が幼稚園から帰るとハイハイレースを開催した。

 

参加者は私と4歳の娘そして0歳の息子だ。娘が帰宅すると、にわかに息子が活発になる。ハイハイをして娘の後を「あそんでー」と追いかけ回すのだ。

 

そんなわけで、そこに私も加わりハイハイで競争することに。コースはリビングから玄関まで伸びる廊下である。最近、息子のハイハイが上達したので、そろそろよい勝負になるのではないかと思われた。

 

息子のハイハイは少しうるさい。手の着き方がパワフルで、前進するたびにバシバシと豪快に床を鳴らす。妻がそれを見て「イグアナみたい」だと形容した。言い当て妙だ。的確な描写に思わずニヤける。

 

レースは結局、娘の負けず嫌いが発動して、うまいこと勝負にはならなかった。ただ息子のハイハイはやはり私にも劣らぬスピードで、後半膝が痛んでくる私を、息子が追い抜くという場面も見られた。

 

しかし息子はレースを理解できていないので、私を追い抜くとすぐに振り返り、その場に腰を下ろした。私に勝ちたいのではなく、私と遊びたいのだ。

 

可愛いやつめ。ほっぺたをプニプニと指で挟み、変顔をして眼前に近づけると、息子はカッカッと喉を鳴らし、大きな口を開けのけぞるようにして笑った。ハイハイだけじゃなく、笑いかたも変なやつ。