いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

錨をあげろ!

ついに最終日だと憂う日がやってきた。

 

11連休は瞬く間に溶けていった。瞬く間に、というのは少し大袈裟かもしれない。しっかりと11日間、時の流れを感じながら穏やかな日々を過ごした。仕事から離れて暮らす喜びを、たっぷりと享受した。

 

いや、たっぷりというのも嘘かもしれない。仕事から離れられる日は、どれだけあっても満ち足りるということはないからだ。ただ11日間ぶん過不足ないくらいには、きっちりとGWを堪能できたと思う。

 

数日前から切なさのカウントダウンは始まり、いつもどおりに平常心を保とうとするものの、ふとした瞬間に私の端々から哀愁が漏れ出ていたようだ。昨夜、ベッドの中で娘にこんなふうに慰められた。

 

「パパ、どんどんちいさくなったら、ようちえん、いけるかもだから、はやくちいさくなってよぅ」

 

娘は木曜日には一足早くGWが明け、幼稚園通いが再開していた。私は仕事復帰を憂いていたが、彼女は幼稚園が休みと同じくらいに好きなのである。そんな彼女のことを私が羨ましがっていたものだから、それならパパも小さくなって幼稚園に行ったらいいよ、と娘は応援してくれているのであった。

 

そうだね、それができたら仕事に戻るのはだいぶ先で良くなる。しばらくの間は、休みや平日どちらでも楽しい、素敵な年月が送れることだろう。

 

ただ、私は君のパパであり続けるために、やはり明日から仕事に戻ることにするよ。次に目指すは夏休みか。それまでは、週末という小島を危なげに渡り進む大航海が、また明日から再開されるのである。