いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ハーヴェスト

田舎ならではのゆったりした時間を過ごしている。

 

どこを見ても視界は開けており、吸い込む空気は限りなく澄んでいる。今朝は子供たちを連れて、ひいじいの畑まで歩いて行ってきた。

 

娘はじいじの指導のもと、自らの手で大根と人参を引っこ抜いた。もっと取りたいと娘は言ったが、抜くのは今日食べる分だけだ。明日食べる分は明日抜けばいい。鮮度抜群の冷蔵庫なのである。

 

スーパーでは見たことがないほど、立派な野菜たちが青々と育っていた。ひいじいの農業技術は超一流。手に職をつけると一生錆びれないのだと知り、とても羨ましく思った。

 

今日口にした食事はどれも美味しかった。朝食は老舗宿で出るような王道和食。昼は本場の豚骨ラーメン。夜はホロホロに煮込んだ手作りおでん。デザートには、ストーブで焼いた餅まで食べてしまった。

 

今回の帰省では太るものかと固く心づもりをしていたのだが、気を抜けば誘惑に負けてしまいそうだ。

 

ただなんにせよ、こんなに穏やかな気持ちになれたのは今年で初めてかもしれない。じじばばも久しぶりの子供たちをとても可愛がってくれているので、普段ならあり得ないほどに手持ち無沙汰な時間も過ごすことができている。

 

いろいろ事前には迷いもしたが、改めて帰省してきてよかったなと思った。このまま一年の終わりと始まりを、穏やかな心で迎えられたら嬉しいな。心の畑にも新鮮な野菜が実ってきたような感覚がある。