いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

旅館暮らしのダディエッティ

波の音に誘われ、ゆっくりと目を覚ました。

 

時刻は朝5時。窓を覗くと、眼下に広がる浜では波が穏やかに揺れている。昨日とは打って変わり空は快晴だ。

 

私は静かに和室から抜けだし、椅子に腰かけた。昨夜は夕食の海鮮料理を食べた後は、まどろむままに早寝をした。そのおかげか、寝起きだが目は冴えている。私は読み途中の文庫本を手に取り、しばしその世界に浸った。

 

喉が渇いたのでロビーに飲み物を買いに行く。部屋の扉を開けると、足下には朝刊が置かれていた。お茶を買って戻ると、私はその朝刊に目を通した。新聞を読むのは実に久しぶりだ。この休暇のきっかけにもなった、G20関連の記事が並ぶ。改めて読んでみると面白いものだ。

 

妻たちがまだ眠っているので、私は今のうちに朝風呂を浴びることにした。タオルと鍵を持って静かに部屋を出る。妻にはLINEでその旨メッセージを残しておいた。

 

大浴場は昨夜から男女が入れ替わっていた。軽く身体を流すと、私はすぐに露天風呂へと向かう。海を眺めながらに、熱めの湯にゆっくりと身体を沈ませていく。ジャグジーの泡が心地よかった。満足感から漏れ出た吐息が、たちまち清々しい朝空に溶けていく。

 

部屋へ戻ると妻が起きてきた。窓からの気持ち良い景色を写真に収め、支度をして朝風呂へと向かうようだ。その間もぞもぞと娘も起きてきて、一緒に妻を見送った。

 

窓の外を見た娘は、いい天気だね、と呟いた。私は頭を撫でながら、後でビーチまで行ってみようよと伝える。

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これから朝ビュッフェだ。旅館暮らしはあと2日続く。