いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

花見と決起集会

桜が微笑みをたずさえ咲いていた。

 

近所の緑地公園内を自転車で走っているだけで真新しい季節を感じた。空は晴天、気候も穏やかで、陽の光を浴びているだけで意欲が湧いてくるようであった。

 

やはり春はいい。何か新しいことを始めるにはピッタリな季節だ。日本人だからか、年の始まりよりも、年度の始まりの方が、節目としてはしっくりとくる。

 

明後日から始まる新年度に向け、今日は家族で決起集会をすることにしていた。明日は天気が崩れるというし、さすがに前日は最終準備にあてる予定である。

 

朝から少し勉強をし、娘を英語スクールに送り出してからは、妻と家計方針について少し議論を交わした。前日の夜から多くの意見を出し合っていたが、なんとかシンプルな方向性が固められたのでよかった。

 

昼食には、行きつけのイタリアンで少し贅沢なランチをとった。その後はみんなで娘を迎えに行き、その足で緑地公園に花見をしに出向いたのであった。

 

各所で賑わいをみせる桜が本当に綺麗だった。奥ゆかしい淡いピンクに染まりながらも、決して遠慮をするような半端な様子は見せず、とにかく一年に一度の晴れ舞台を、心から喜んでいるように咲き誇っていた。

 

そんな彼女らの満面の笑みを見ていると、こちらまで清々しい気持ちになれた。おろしたての春ジャケットもよく馴染み、そんな薄着で出かけられるということも、心を高揚させてくれるひとつの要因であった。

 

園内における桜が立ち並ぶ各所をぐるりとサイクリングし、その後は花壇のある広場に拠点を置いた。娘と縄跳びやフリスビーで遊び、シャボン玉を噴射する愉快な音を奏でるステッキをもって草原を走り回った。

 

息子も昼寝明けには元気に歩き回り、お気に入りの階段を見つけては長いこと昇り降りを楽しんでいた。妻はそんな我々に向けてビデオカメラを回し、ふと桜を見上げては嬉しそうに微笑んでいた。

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健やかなる英気を養えたように思う。4月からの新たなる挑戦に向けて、ワクワクと心が高鳴っている。