いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

はじめてのザリガニ獲り

ザリガニを捕まえに行った。

 

100均で網を買い、近所の緑地公園を訪れたのだ。前回訪れたときに小学生たちが園内の池で捕まえており、また別の場所でもたまたまザリガニを見かけ、娘が興味を持っていたからだ。

 

とはいえラジコンも持って行ったので、草原のベンチ近くに陣を取ると、まずはそれで遊ぶことにした。人も少なく、スペースも広大だったので、娘は思いっきりラジコンを走らせられた。

 

石畳の水路にも水がなかったので、そこをスノボのハーフパイプのようにラジコンを走行させていた。ずいぶん長く、ハードにオフロードを走らせたのに、最後まで充電は切れなかった。私が小さい頃のラジコンはこんなに長時間遊べなかったと思う。科学の進歩だなあと、こんなところでも実感が持てた。

 

さて、次がやっとザリガニ獲りである。水辺に行くので息子と妻は草原に残し、娘とふたりで池に向かった。このまえ、小学生たちが集まっていた、歩道を外れた池の端っこで身を屈めてみる。

 

すると、さっそく一匹のザリガニを見つけた。こんなに早く見つかるのは想定外だったので驚いたが、岩場の下に入り込みそうになっていたので、慌てて網を突っ込んだ。

 

これが失敗だった。小さな網はザリガニを取りこぼし、水底に先端がついたことで水中に砂が舞い池が濁ってなにも見えなくなった。闇雲に網を突っ込み色々と動かしてみたが、結局網に入ることはなかった。

 

仕方ないので別の場所に移動することにした。こんなに早く見つかったのだから、他でもすぐに発見できるかもしれない。しかし結論から言えば、池の周りをぐるりと散策したが収穫はなかった。そんなに綺麗な池ではないので小魚もいない。

 

そんなわけで、最後の望みをかけて最初の場所に戻った。さきほどのポイントを覗くと、池のモヤが晴れ、また水中が透けて見えるようになっていた。

 

いた!

 

さきほど見かけたザリガニがまだそこにいた。こんどは慎重に、ゆっくりとザリガニめがけて網を差し込む。もう水底を叩くようなヘマもしない。これがラストチャンスだと思った。

 

すくいあげた網の中には、小柄なザリガニが収まっていた。やった!と声を上げ、娘にも見せる。すごい!娘が歓喜する。持っていこう。そう言って、妻と息子が待つ草原へと戻った。

 

しばし芝生に下ろし、みんなでザリガニを観察する。息子も興味津々にながめ、私が掴んで見せると、自分でもちょんちょんと背中をつっつき笑っていた。

 

最初は怖がっていた娘も、ハサミに葉っぱを掴ませたりして、徐々に距離感をつめた後、ついにはちょんちょんと触れるようにまでなり喜んでいた。

 

子供らがひととおり触れ合った後、ザリガニを池に還しにいった。彼は娘がもつ網からゆっくりと池へと戻っていき、還したくないと残念がっていた娘も、最後は笑顔で見送っていた。

 

緑地公園は自然が豊かで様々な生き物との触れ合いができる。そういえば、ラジコンの前には娘はポニーにも乗馬していた。ポニーからザリガニまで。振り幅のある生き物と戯れ、子供らも楽しかったに違いない。