いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

うーみーはーひろいーなーおおきーなー

息子はよくこの歌を歌っている。

 

今日もテレビゲームに海のフィールドが出てきた際に、あっ!と声をあげて画面前まで駆け寄っていき、身体を横にゆらせながらに歌っていた。

 

初めて本物の海に足をつけた時にも、遠い目で水平線を見つめながら、突然この歌を歌い始めて驚いた。教育テレビで歌や海のことは知っていたのだろうが、これが本物かあ、と感慨深くなったのかもしれない。

 

それ以降、海の映像や画像を見た時には、もれなくと言っていいほどに歌うようになった。いつのときもゆっくりとした歌い出しで、どこか噛み締めるように歌う。まるで海の雄大さを思い出しながら歌っているかのようだ。

 

海は広いな。大きいな。

 

息子は目の前に広がる海を前に、心からそう思ったに違いない。息子の歌を聴いて、私も改めてそのことを思い知った。大きいよね。海では私も砂浜に尻をつき、腰あたりまで水に浸かりながら、息子と一緒に遠くを見つめていた。

 

日常の場面で息子がこの歌を歌うたび、私はそのときに見た光景を思い出す。穏やかに波打つ海。それをまっすぐに見つめ、ただただ感動に包まれている息子の澄んだ瞳。彼のおかげで私は海を前より好きになった。同時に、聴くたび心洗われるこの童謡のことも。