いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

突然訪れるその日

息子が初めてトイレでおしっこをした。

 

トイトレがあまり進んでいなかったのだが、ここにきて唐突にひとつ目の階段を登った形になった。

 

私がトイレに入ってる時、トイレの外から息子が話しかけてきた。なんだかチッチが出そうな気がするから、トイレ変わってというのだ。

 

息子はトイレの便座に座ること自体は好きで、よく我々を期待させるだけさせて座っておきながら、トイレットペーパーを触ったり、水を流して遊んだりという常習犯だった。

 

ただ最近はその機会も減っていたし、何よりわざわざ使用している私を出してまで志願してきたことはなかったので、少しばかりいつもとは違う空気はあった。もちろんいま振り返ってみれば、程度の空気であったのだが。

 

結果、いつも待ちぼうけを喰らうので、子供用の便座を設置し、息子を座らせると、私はリビングへと戻っていた。

 

しばらくすると、できたー、と下半身すっぽんぽんのまま駆け足でリビングへと入ってきた息子。私は一瞬何のことかわからなかったが、すぐに状況を理解して息子と一緒にトイレに戻った。

 

すると確かに若干だが、トイレに溜まっている水が黄色くなっていた。少量だが、たしかにおしっこが出たようだ。息子も得意げに、嬉しそうにしているから、そうなのだろう。

 

私は大きめに驚きの声をあげ、息子はたくさん褒めてあげた。妻も状況を理解したようで、私に同調し、息子を手放しで褒めたくった。さらにはご褒美に彼の大好きなチョコを渡した。

 

息子は私たちの反応に、自分がいかに立派なことをしたと理解するに至ったようで、ご満悦の表情を浮かべていた。

 

必ずしも親からアクションをしなくたって、子供が自らのタイミングで成長のきっかけを掴むこともあるみたいだ。オムツが外れるまでもう少しかもしれない。