いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

頑張る先輩

最近、会社のとある先輩が仕事を頑張っている。

 

その人は年齢が10も上で、一応自分の上司にも当たるのだが、普段は仲の良い同僚というスタンスでお互いに接している。私も心から慕っている先輩であり、向こうも私を可愛がってくれている。

 

とにかく人当たりがよくて、ユーモアがあり、口が達者。合コンとかにいったら場を盛り上げてくれそうな明るいキャラクターである。(そして実際、未だ独身で大の合コン好き・・)

 

ただ仕事はというと、ズボラで抜けているところが多く、マイペースすぎる性格ゆえに、大きな部門を取り仕切る今の立場には、なかなか向いていないような印象をもっていた。

 

実際、他の担当から苦言が寄せられることも多く、私も後輩ながらに彼をフォローしたり、適宜引っ張ってあげたりして、なんとか仕事を成立させているような側面もあった。

 

ただ、そんな先輩が、先月あたりから見違えるほどに仕事を頑張っているのだ。

 

非効率な面が全て払拭されたかというと、まだそこまでには至っていないのだが、そこはかける時間でカバーしつつ、とにかく自分にくるオーダーには真摯に取り組もう、という気持ちがありありと見えるのであった。

 

現に昨日、一緒に進めている施策の打合せがあったのだが、事前にポイントをまとめた資料も作ってきて、終始打合せをリードしてくれた。これまでにはないくらい、とても頼もしく感じられた。

 

打合せの後、普段の笑いを交えた会話の調子で「最近、めちゃくちゃ仕事頑張ってますね。とても頼りがいがあります。急にどうしたんですか?」とストレートに聞いてみた。

 

すると、なんでも最近あった課長試験で、自分の至らなさを色々と痛感したらしい。面談でも自信をもって話せる『自分の成果』というものが見当たらなかった、と。だからこそ意識を変え、しっかり仕事に向き合うことにしたのだそうだ。

 

私はそれを聞いて、小さな感動を覚えた。

 

自分だったらそんな状況で、周りのせいにしたり、腐ったりしてしまわないだろうか。この先輩のように、素直に自分の非を受けとめ、前向きに取り組んでいけるだろうか。

 

正直なところ、これまで親しみしか抱いていなかったその先輩に対して、はじめて大きな尊敬の念を抱いた。こういうところ見習いたいな、心からそう思った。

 

そして先輩が輝けるよう、後輩としても最大限力になりたい、そう思わせてくれた。考えてみれば、これは上に立つ者にとってはなかなか重要な要素ではないか。

 

そんなわけで、今日も一緒に仕事を頑張ってこよう。そして先輩から、もっと多くのことを学ばせてもらおう。